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地方高利回り投資とは何か?④購入後の特徴

5回に分けて、私の得意とする地方高利回り投資について説明します。一連の連載で、地方高利回りの長所短所を検討する際、都内の一棟と比較した方がわかりやすいので、その都度引き合いに出してしてお話しします。

これまでの1-2の2回で投資目的から地方高利回り投資を検討してきました。

続いて3-4の2回に渡り、実際に不動産投資に取り組む際の段階ごとでの地方高利回り投資の特徴を確認します。不動産投資の段階を単純化すると、

(1)物件検索及び購入検討
(2)融資
(3)管理
(4)リフォーム

の四段階に分けられます。

前回3は、上記(1)(2)の点から見てきました。

今回は、(3)(4)の点から見ていきましょう。

(3)管理

地方投資は、そもそも物件が物理的に遠いのでそうやすやすと管理できないとの批判があります。この批判に対しては、そもそも購入時はともかくとして購入後に現地に行く必要性があるのか疑問です。

私は購入後に満室にしたら、その後は滅多に現地に行きません。横須賀市にある物件は、満室なので3年間行ったことがありませんでした。それでも何の問題もありません。問題があれば、住んでいる方からすぐ連絡が管理会社に行きます。見回ることはいいことですが、見回らなければならないわけではありません。

今まで、大家として20年間生きてきました。大半の事例は経験しました。台風被害、地震被害、大規模水漏れ、夜逃げ、孤独死、自殺そして火災等のトラブルは経験済みです。このようなトラブルに際して、大家がすぐに駆け付けるためには、近くにあった方がいいと言われることもあります。

まだ、大家業を開始して間もないころ、自宅近くの戸建て賃貸で、借りていたデイケアの事業者が介護器具などを放置して夜逃げするという事案がありました。管理会社が駆け付けた時には、がらんとして残置物が散在していたとのことです。自宅から、20分の距離です。

ですが、自宅から20分の距離にかかわらず、私は、駆け付けませんでした。当時、忙しかったこともありますが、そもそも大家がやれることは限られていると判断したからです。案の上、私が行かなくても、管理会社と保証会社がうまく対応してくれました。

その後もいろいろトラブルはありましたが、いずれも私は現場に駆け付けたことはありません。大きなトラブルがあっても大家が必要とされる場合はそれほどないのです。大家が来なければならない場合は、この20年間一度もありません。管理会社と保証会社と保険会社と懇意のリフォーム会社があればたいていの問題は解決可能です。

ただ、保険の申請のために必要があれば行くことはあります。また、近くに新規物件を検討する時にも行きます。

しかし、別に定期的に行かなければならないわけでなく、また、急なトラブルが発生しても駆けつける必要性は低いのです。

なお、地方に物件を見に行く時は、私は車で出かけます。ただし、ラッシュに合わないように配慮すべきです。ラッシュでイライラすると精神衛生上よろしくないからです。

そのため、朝5時ころ自宅を出て、朝焼けの首都高を駆け抜けまた、帰りも早めに切り上げて3時ころには現地を離れます。そうするとラッシュに合わずに、むしろ、快適に現地までの往復ができます。

私の塾生には、都心に居住している方が多いので、そのために車を所有していない方も結構な人数いますが、その場合は、現地まで電車で行き、現地で車をレンタルする場合が多いです。今は、レンタカーの値段も安く、その方が楽だからです。ただ、レンタカーも使わないとなるとやや活動がしずらいのは、地方だと致し方ありません。地方投資では運転免許はマストです。

(4)リフォーム

地方だとリフォーム費用が高くつくと指摘される方もおられます。第一の理由として、家賃の割には、賃貸スペースが広く、相対的にコストが高いということ。第二の理由として、地方は業者が少なく、競争原理が働かないために代金が高くなるということを理由としています。

第一の理由は確かに認めざるをえません。修繕する範囲は広いです。ですが、都内は意識が高い方が多く、多少の値段の差があっても設備の整った部屋を借りる傾向にありますが、地方で賃貸を借りる人のプライオリティはまずは家賃であり、設備は二次的な要素です。その意味で高価な設備を入れる必要はありません。小ぎれいで簡素な設備で足りる地方の方がこの意味では費用がかかりません。さらに、より重要な要素があります。地方では、プロパンガスが多く、プロパンガス屋さんは、いろいろとサービスをしてくれるのでこれは非常に大きな要素です。

次に、地方は競争がないので単価が高いとの指摘ですが、果たしてその通りであるのか疑義があります。職人の手間賃は、明らかに都内より地方の方が安いと言えます。また、地方と言っても、10万人以上の規模の街であれば、相応に職人がいるし、また、場合よっては、北関東全域をカバーしている業者もいるので競争原理が働かないほど業者がいないとの指摘はあたらないと思われます。

現実として、見栄を張らなければ、地方ではリフォーム費用を無理のない範囲に収めることは可能です。私の塾生のなかには自分で休日にDIYをし、修繕する人もいます(こういった人の事例も後日インタビュー記事にします)。また私などは懇意にしている業者さんがいますので相場より抑えた金額で修繕をお願いできています。 

この記事を書いた人

中島亮(なかしまりょう)

中央大学法学部卒。法務博士
主に地方の一棟アパートを購入する個人不動産投資家。
サラリーマン15年目にアパート投資を開始。
その後、6年間で10棟93戸を購入し、退職。

現在、39棟383世帯所有。年間賃料19,000万円超え。キャッシュフローは実質3,000万円を超えている。大家向けN塾主宰


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