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大事な能力が欠如している人

昨日の動画では、「カッツモデル」について解説しました。

カッツモデルとは・・・
1955年にハーバード大学教授のロバート・カッツさんが提唱した理論で、仕事をする上で必要なスキルは「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つで、

それぞれ
テクニカル:与えられた業務をこなす能力
ヒューマン:人と関係を築く能力
コンセプチュアル:問いを作り、解決する能力(問題解決する能力)

と解釈しています。

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面白いのは、
発揮すべきスキルの割合が、置かれた立場によって変わるということ。

特にテクニカルスキルは、若手の時により多く発揮すべきだと。
つまり若いうちは、しっかり仕事を覚えてしっかり専門知識と技術を付けなさい、と言われるのはこの部分。

マネージメント業務をするようになると、コンセプチュアルスキルをより多く発揮していくんだと、わかりやすく図示されてます。

そしてさらにさらに注目なのは、平社員からお偉いさんまで、「ヒューマンスキル」の発揮割合は年令によっても立場によっても全く変わらないということ。

対人関係の構築は、仕事をし始めて1日目の若い社員から現場を退いた会長さんまで、みんな同じくらい必要で、周りにいる人達全員と良好な関わりをすることは、最初から最後まで求められるわけです。

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このモデルが本来示しているのは、図で示されている通り「ヒューマンスキルが何より重要」という1点で、おそらくこのカッツモデルを知る人のほとんどが、「ヒューマンスキルが大事」と解説すると思うんです。

その通りで、「ヒューマンスキル」が欠如した状態で自分の仕事が成立するのは、おそらく山の中で自分の作品を1人で作り続ける陶芸家とか、アトリエにこもってひたすら制作する油絵画家とか、そのくらいなわけです。

社会の中でヒューマンスキルを置き去りにしてしまった状態では、
いくら仕事ができても、いくら問題解決能力があっても、手段を選ばず言葉を選ばずゴリゴリに仕事を進めていたら、
一瞬で誰からも信頼されなくなり、1人で仕事する羽目になります。

ただ、
私はちょっと違う切り口でこの理論を見ています

我々の医療現場では、「ヒューマンスキル」と「テクニカルスキル」が大切であることは口酸っぱく教えるのに、「コンセプチュアルスキル」については全くといっていいほど教えない。

というところに着目しております。

「テクニカルスキル」は、めちゃくちゃ教育しやすくて評価もしやすいんです。

「ヒューマンスキル」も、「コミュニケーション」を土台にして「交渉力」「プレゼン能力」「働きかけ」「リーダーシップ」を発揮していけ、と説明されればもちろん理解できるし、これもわかりやすく能力が高い人とそうでない人が判断できます。

ただ、「コンセプチュアルスキル」がある人、コンセプチュアル思考ができる人、というのがどういう人なのか?
なにをどうやって「コンセプチュアルスキル」を身につけていけばいいのか、という事を若いうちに教育したり説明された人なんてほとんど居ないんです。

そもそもコンセプチュアルってなに・・・?

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言葉の意味すらわかりません。

「コンセプト」「概念化」という言葉が曖昧すぎて、理解が追いつきません。

そして、言葉の意味も本来の中身もわからないまま、「テクニカルスキル」と「ヒューマンスキル」を積み上げた状態でいきなり管理職になり、マネジメント業務を始めるや否や・・・

さぁコンセプチュアルスキルを発揮して下さい

と言われてしまいます。

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そもそも、コンセプチュアルスキルってどういうこと?


一気に紹介すると、こうです。

ロジカルシンキング(論理的思考)
物事を理論的に整理したり説明したりする能力

ラテラルシンキング(水平思考)
既成概念にとらわれることなく、自由に発想できる能力

クリティカルシンキング(批判的思考)
物事を分析的に捉え、思考する能力

多面的視野
課題に対して複数のアプローチを行える能力

柔軟性
トラブルに対しても臨機応変に対応できる能力

受容性
自分とは異なる価値観を受け入れられる能力

知的好奇心
未知のものに対して興味を示し、自ら取り入れることができる能力

探究心
物事に対して深い興味を示し、問題の深部まで潜り込める能力

応用力
ひとつの知識・技術を他の問題にも適用できる能力

洞察力
物事の本質を正しく見極める能力

直感力
物事を感覚的に捉え、瞬時に反応する能力

チャレンジ精神
困難な課題や未経験分野においても、果敢に挑戦し、行動を起こせる能力

俯瞰力
物事の全体像を正確に把握する能力

先見性
まだわからないことに対して、早い段階から結果を予測できる能力

さぁ、
コンセプチュアルスキルをどうぞ発揮してください

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そうなんです。
いきなり発揮できるわけがない膨大な量なんです。

一言でいうと、
「物事の本質を捉える」ということなんですが、
なんせ内訳が細かい。

そして、後天的にトレーニングするのにはめちゃくちゃ時間がかかるし評価も難しいのが、この「コンセプチュアルスキル」なんです。

つまり、若いうちから訓練して一つでも習得しておかないと、先輩になって、リーダークラスになって、指導者クラスになって、と立場が上がっていった時に、ありとあらゆる物事の本質を捉えることができず、ありとあらゆる「正解のない問題」に向き合えない体になってしまうわけです。

提唱された1955年当初は、「カッツモデル」で最も重要視されていたのは「ヒューマンスキル」でしたが、
近年では「指示された業務をこなす」能力や「人と良好な関係を築ける」能力さえ持っていれば現場の仕事は進んでいくと・・・
なかなか簡単に言えなくなってきた。
という時代背景もあります。

いずれにせよ、どのスキルも欠如し無いほうがいいんです。
大事なスキルほど、是非とも持っておきたいもんです。
そして意識しないと育たないスキルほど、意識してつかみ取りたいもんです。

イデヨ、コンセプチュアルスキル・・・

このスキルの鍛え方や現場での実例は、
次回以降の動画で解説して行きます。

本日はカッツモデル基礎編を貼って、おしまいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!!!!!


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