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ある内戦映画を観た感想

 「バンデラス ウクライナの英雄」という映画を見た。いつもなら映画を見た後にささやかなレビューを投稿したりするのだが、この映画の評価に困り、ここに記そうと思った。

 この映画はウクライナとロシアの間で起こる内戦を舞台にしている。ウクライナもロシアも日本から遠い国であり、そこで起きる内戦も我々には関係のない話だ。だからこの映画のレビューに困ったのだ。

 映画の内容としてはウクライナ政府軍にまぎれた親ロシア分離派(ロシア側)のスパイを探しだすためにバンデラスという一人の兵士が、前線の基地に来るというところから始まる。様々な手掛かりと推理によりスパイを探し出すが、その推理は外れてしまう。スパイ探しに手間取っている間にまたスパイ工作が行われ、近くの村で住民が殺されてしまう。これも分離派による巧みな罠で、ウクライナ政府軍の仕業とされるしまった。ウクライナ政府軍は前線の基地から撤退することとなるが、バンデラスはスパイの捜索を続ける。

 ついにバンデラスはスパイを見つけたが、その時にはすでに手遅れで前線の基地に近い村が砲撃されるときだった。バンデラスは村に戻り、逃げるように伝える。バンデラスのいうことを信じる者は逃げ、新ロシア派の人間は村にとどまった。ついに村は砲撃される。ウクライナとロシアに挟まれた村の住民は信ずべき国がわからなくなり、住む場所も失ってしまった。

 この映画のレビューに困ったところはこの話の舞台が日本では問題にもならない民族や国境を接した国同士の問題というところである。ヨーロッパは多くの国が国境を接する大陸国家であり、似て非なる文化、民族である。そのため、映画を鑑賞するとき、物語の背景を常に考えながら見なければならず。ウクライナとロシアのどちらにも共感ができなかったのだ。

 ただ、映画を見ればロシア側がひどいことをしているようにも見える。巧みな工作とメディアを利用したプロパガンダにより村の住民をだまし続けた。しかし、ロシアにも立場と言い分があるのだろう。

 だからレビューに困ったのだ。映画を見て「ロシアが悪い!」と決めつけるのは危険であり、どちらかを支持するとしても勉強をしてからである。映画自体は面白く、推理パートとアクションパートが明確で店舗もそれなりによく、どんどん物語に引き込まれていった。その点に限れば☆5という評価はできる。

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