南ドイツはこんなところ
はじめに
以前のドイツを取り上げた回でリクエスト(半ば強引ですが、、、)がありましたので、今回は南ドイツについて書こうと思います。西ドイツ、東ドイツは聞いたことはあるけれども、北ドイツ、南ドイツはあまり聞き馴染みがないと思われるかもしれません。前者は政治的な意味で使われていて、後者は地理的な意味で使われるので、西ドイツ、東ドイツに比べるとメジャーではありませんが、地球の歩き方でも取り上げられています。今回はその南ドイツについて書いていきます。
南ドイツってどの辺り?
南ドイツは主にバイエルン州(Bayern)やバーデン=ヴュルテンベルク州(Baden-Würtenberg)の2州のことを指し、たまにヘッセン州(Hessen)の一部(フランクフルト:Frankfurt am Main)も含めれることがあります。一般的に南ドイツと言うとこの2州になります。ドイツは16の州から成り立つ連邦国家で、この2州だけを南ドイツを指すと思うとすごい小さい範囲のように思われるかもしれません。実は2州だけですが、バイエルン州がドイツで一番大きい州で、二番目に大きいニーダーザクセン州(Niedersachsen)の1.5倍ほどあります。バーデン=ヴュルテンベルク州は3番目で、バイエルン州の半分ほどの大きさです。つまり、この2州だけでドイツの1/3近い面積を占めていることになります。
南ドイツは暖かそうに思われるかもしれませんが、アルプスのふもとの地域なので比較的寒い地域です。ただ、夏は地中海からの風がアルプスを通過し、そのときのフェーン現象で非常に暑くなり、ドイツでも寒暖差の大きい地域です。夏の昼間は35℃を超えることもありますが、夜は20℃ぐらいまで下がりますし、35℃を超えた次の日の気温が20℃前後ということもあり、ついていくのがやっとです。ちなみにフェーン現象のフェーン(Föhn)ドイツ語でヘアドライヤーを意味します。風炎は単なる当て字ですが、うまくできていますね。
南ドイツってどんな地域?
南ドイツで有名な都市はミュンヘン(München)、ニュルンベルク(Nürnberg)、シュトゥットガルト(Stuttgart)、アウグスブルク(Augsburg)、ローテンブルク(Rothenberg ob der Tauber)などなど多くの都市が存在します。ドイツの観光スポットとして人気の高いロマンティック街道は始点と終点がバイエルン州にあります。大半はバイエルン州で、一部はバーデン=ヴュルテンベルク州を通ります。つまり、人気の観光スポットは南ドイツにあります。イメージしているドイツは南ドイツであることが多いです。
南ドイツはドイツですが、首都のベルリンより隣国・オーストリア(Österreich)の方が言葉も文化も近いです。バイエルン州は元々バイエルン王国という国で、オーストリアと仲がいい国でしたが、普墺戦争の結果により、バイエルン州はプロイセン、後のドイツに併合されることになりました。ドイツの中でもバイエルン州は少し特異な地域で、ベルリンや他の地方で使われていないドイツ語が使われています。南ドイツで挨拶をするときはGuten Tagではなく、Grüß Gott(グリュース・ゴット)と言うと相手の反応が良くなると思います。
ドイツの料理が美味しいと言っている人はおそらく南ドイツでの料理を食べていたと考えられます。ベルリンを含む北ドイツでの料理はあまりおいしくありません。北ドイツはプロテスタントの地域で、プロテスタントは現世内禁欲を教義とする宗派で質素倹約がモットーです。そのため、料理にもあまりこだわることはないようです。それに対して、バイエルン州を含む南ドイツやオーストリアはカトリックなので、質素倹約をモットーとしていないので、現世内での生活が豪華絢爛であっても問題ありません。そのため、料理も美味しいと言われています。そのため、ドイツでも南ドイツは食べ物が美味しい地域です。
次は南ドイツの観光スポットについて書いていきます。
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