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生きてるだけで、愛。
信号待ちしている対向車と自分の車のワイパーが重なるタイミングは、ほんの一瞬でまた少しずつずれていく。
雨の日の運転はついついワイパーの重なりをみてしまう。それを見て、人と人が分かり合えるのもほんの一瞬だよな、なんて思った。
あれ、何か聞いたことあるようなセリフだな、誰かに言われた言葉だっけ?とか考えながら出勤していた。
仕事中も気になって仕方なかったので、スマホで検索したら、モヤモヤが晴れた。
確か2、3年前に観た菅田将暉主演の『生きてるだけで、愛。』の冒頭で出てくる『多分、私たちが分かり合えたのなんて、ほんの一瞬ぐらい』というセリフであった。
寧子のセリフで心に残っているセリフがもう一つある。劇中後半で寧子が津奈木にいう『あんたが別れたかったら別れてもいいけど、私はさ私とは別れられないんだよね、一生。いいなあ津奈木、私と別れられて』という言葉だ。
人は大なり小なりコンプレックスという地獄を抱えて生きている。
自分の悪癖、弱さ、醜さにうんざりすることが多々ある。
治したいと思っているのに、変えられないから余計自分のことが嫌いになっていく。
自分はどこまでいっても自分のままだ。別れることはできない。一生自分として生きていかないといけない。
だけど、そんな自分とほんの一瞬でも分かり合える相手がいたら。その一瞬はとても尊い時間だ。そう思わせてくれる作品だった。
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