ミラティブ新卒エンジニアの採用基準
こんにちは、ミラティブCTOのよこて(@n0mimono)です。
エンジニア志望の学生からよく聞かれるらしいので、ミラティブの新卒エンジニアの採用基準についてここに書きます。
ミラティブと新卒採用
現在、ミラティブはビジネス職とエンジニア職の新卒採用を行っています。
これは25卒向けの記事になりますが、24卒で滑り込みたい人も募集中です。
まず、インターンと本選考の採用基準は基本的に同じです。インターンだからこう、本選考だからこう、というのはあまりありません。少し違いがあるとすると、インターンの方が選考回数が少ない一方で、枠にやや制限があります(本選考は枠は無限です、有望な人材は全員採用です)。詳細は募集要項から確認してもらえればと思います、後から拡充されていく予定です。
では、今回のテーマ「では本選考の基準ってなんですか?」。
採用基準の基本
ミラティブの話をする前に、一般的な採用基準について触れておきます。これはミラティブだけでなく、多くの会社の新卒のソフトウェアエンジニアにも求められるものになります。また、ミラティブの採用基準もこれをベースにしています。
ソフトウェアエンジニア
ソフトウェアエンジニアとして活躍することが期待されるというのが最も基本的な基準になります。
ここでは『優秀なソフトウェアエンジニアとはなにか』の詳細について説明しませんが、参考になりそうな本を2冊挙げてます。
共通するのは、技術によって付加価値を生み出し、チームやプロダクト、ユーザーに貢献すること。キーワードは『技術』と『リーダーシップ』です。
リーダーシップ
リーダーシップとは端的に言って『チームの成果を最大化する能力』です。
リーダーシップは後天的に身につけるべきものです。よって、重要なのは『これから身につけられること』=『成長する力』です。
コンピテンシーとポテンシャル
一般に採用においては、その人の表面的な知識や経験よりも、それらをもたらす行動特性を重視します。これをコンピテンシーと言いますが「なぜその行動を起こしたか」に注目するものです。能力や知識は簡単に変化するものですが、コンピテンシーはあまり変化しません。
新卒採用においては、さらにその元になるポテンシャルを重視します。「今なにができるか」よりも「その人はこれからどのように成長(変化)をして、なにができるようになるか」が重要であるということです。
例えば、10年前の自分を想像してみてください、今の自分と変わっていないものがポテンシャルになります。逆に、それ以外は変わりうるものと考えます。
ミラティブの採用基準
Four Cards
ミラティブのエンジニアが一緒に働きたいと思う人物像をまとめたもの、すなわち採用基準として見るべきものを自分たちの言葉でまとめものが次になります。
4つの視点とそれに付随する1〜2個の詳細から構成されます。
いずれも、これらを持つならばミラティブにおいて「ソフトウェアエンジニアとして成長し活躍することが期待される=高いポテンシャルを持つ」と信じるに値するという項目になります。
『エンジニア素養』
『エンジニアリングが好き』から構成されます。ここでは広義のエンジニアリング、技術的な思考や行動、プログラミング、プロダクト開発や研究が好きなことを表します。
好きこそものの上手なれと言われますがが、好き嫌いは訓練できないため、エンジニアにとってこれが最も重要な素養になります。
『思考』
『論理的思考』と『知的好奇心』から構成されます。思考力と表現していますが、できる/できないというよりも、なにを楽しいと思えるかという方向性を重視しています。
論理的思考は物事を体系的に捉え、筋道を立て、問題を解決に導く思考です。知的好奇心は未知のものへの好奇心、学びたいと思うこと、新しいことへ取り組むことに興味を感じ、楽しいと思えることをここでは表します。
『コミット』
『根気強さ』と『結果への執着心』から構成されます。これらはリーダーシップの個人面、個人として成果を出すことと成長することに対応します。
根気強さは困難な課題に対し粘り強く向き合い続け、努力を継続することを表します。結果への執着心は文字通り、成果を出すことを諦めないことを表します。
『わかりあおうとする』
『素直さ』と『周囲へのリスペクト』から構成されます。これはリーダーシップのチーム面、チーム全体のパフォーマンスを改善し、チームメンバーとともに自身が成長することに対応します。
素直さは自分を偽らず、ありのままに振る舞い、他者からの意見や助言を受け入れられることを表します。周囲へのリスペクトは他者を思いやり、共通した目的のために協調することを表します。
選考フローと水準
選考においては、上記の4つから採用可否が判断されます。ミラティブのエンジニア採用はいくつかのステップ(1次面接、2次面接、・・)から構成されますが、その中に取り入れられている重要な考え方として次の2つについて言及しておきます。
全ての情報から総合的に判断する:ミラティブのエンジニアの選考では、「1次面接ではXXを判断する」や「CTOが独断で可否を判断する」という形はとっておらず、面接官やメンター、他エンジニア、CTOが集まり、全ての情報を集約して「本当に一緒に働きたいと思うか、将来のミラティブにとって大事な人材になりうるだろうか」を議論し、採用可否を決めます。採用基準を4つの項目という小さな形にまとめているのはこれが理由になります。エンジニア間のコミュニケーションツールとして使いやすく、チームの価値観と同じ方向を向いているかを端的に確かめられるかを重視した指標として成っています。
絶対的な尺度はない:「『エンジニアリングが好き』はどのように測るのか?」「何点とれば合格なのか?」このような絶対的な尺度は用意していません。人によって経験したことが違いすぎるためで、情報系の学科に入りじっくり研究に注力する人もいれば、プログラミングを1年で学んでアプリをリリースする人もいます、その中間くらいの人もいます。ミドルウェアを開発する人もいれば、AIを研究する人もいます。これらを杓子定規な基準で判断するのは適切でないと考えます。「これから成長するか」「チームメンバーとして成果を出せるか」これを基点に採用可否を検討します。
今は必要ないもの
逆に、今は特に必要ないものについていくつか例を挙げておきます。
ミラティブの技術スタック
現在、ミラティブが採用しているプログラミング言語の知識
ライブ配信の知識
3Dの知識
AIの知識
アプリ開発の知識
ゲームやエンタメへの興味や知識
SNSへの興味や知識
チーム開発の経験
スタートアップ企業の経験
コミュニケーション能力
当然、ないよりはあったほうが良いと思いますが、これらは後で身につけられるものなので選考時点でほとんど重視しません。逆に、全くプログラミングをしたことがないあるいは全く開発経験がないと『エンジニアリングが好き』を判断する手段が全くなくなるためこれについては何らかの知識や経験を求めます。
とにもかくにも自分自身の変化を楽しめることの方が重要と考えます。
おわりに
今回、ミラティブの新卒エンジニアの採用基準について簡単にまとめました。CTOの願いとして、ミラティブで活躍できるエンジニアならどの会社でも通用できるを持っています。一緒に最高の仕事をして、最高に成長しましょう!!
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