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13歳からのアート思考
学生の頃の美術の成績は2。
絵を描いたり工作をするのがとても苦手で、芸術やアートには、これまであまり興味を持ってきませんでした。
コロナ禍で、自分にとって新しいものに触れ続けることの重要さに改めて気づき、これまで触れてこなかったテーマの本を読んでみました。
本の中では、「自分だけの視点で自分なりの答えを作り出す作法がアート思考」とし、自分の内側にある興味を元に自分のものの見方で世界を捉え、自分なりの探求をし続けながらアート作品を見る考え方を紹介しています。
リアルさを出すための遠近法も、人間の無意識を利用して見えているもの。
絵を描く方も見る方も、無意識に描かれた物を頭で把握して絵を理解しようとしているのです。
たしかにその通りで、絵を見ていると答え合わせをしたくなるような、でも答えがないような...
もやもやとした感覚に襲われますが、そのもやもやした思考こそがアート思考なのかも。
終盤、パックマンの展示やウォーホルの例を挙げて、アートは高尚なものでも形式が決まってるものでもなく、新しいものの考え方を与える表現だとあり、それを受けて「ビジネスマンだって新しい価値観を与えればアーティストだ」という意見がありました。
たしかにそうだけれど、わたしは自分を「アーティスト」と名乗ってしまうことこそ形式にとらわれてるなぁと感じてしまうので、他者からアーティストと呼ばれるのはともかく、自ら名乗るのは「アーティスト」でないのでは?という感覚をもちました。
アートという表現自体、親しみのない人にはどうしても高尚なイメージがあるので、「アート」という表現をあえて使わない方が、高尚なアートの枠組みを取っ払えるのではないかなぁと思いました。
(職業柄、より多くの人が理解できる表現をどうしても好んでしまう)
そのために、親しみのないひとにも有名作品の見方や考え方をわかりやすく解説してくれているこの本は、とても面白かった!
作者名や作品名を聞いたことがあっても、実物を知らないものがたくさん登場し、大人だからこそ学びが深くなってテンションが上がりました。