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ミスを防ぐとミスを受け入れる

最近、社内のOSS(オープンソースソフトウェア)の立ち上げをするために、すでにあるOSSを調べている。正確にはオープンソースの開発手法を組織内で実践しているので”インナーソース”ですが、OSSの方がよく知られているので、OSSと表記する。

OSSってそもそも何?
オープンソースソフトウェア(英: Open Source Software、略称: OSS)とは、利用者の目的を問わずソースコードを使用、調査、再利用、修正、拡張、再配布が可能なソフトウェアの総称である Wikipedia

そんなOSSですごいところ、知って”ほう!”と思ったことと、日常生活でも活かせそうないい文化だなと思ったことをまとめる。

OSSのすごいところその1---全てがボランティア
OSSのすごいところその2---Code of Conduct(行動規範)
OSSのすごいところその3---ミスを受け入れる

OSSのすごいところその1---全てがボランティア

Contributorという役割の人が問題点をあげたり、コードを直したり、直したコードが上手く動くかテストしたり、そもそも直す箇所が正しいのか判断したり・・・とにかくたくさんすることがあるのだが、その全てが無償のボランティアによって実施されているのだ。報酬もないのに、そんなことする人が世界にこんなにたくさんいるなんて、すごい!というのが率直な感想。

ただ、このContributionの数や質(有名なOSSに貢献したこと)が証明されると、それは優秀なエンジニアの証明にも繋がるので、インセンティブがゼロという訳ではない。

OSSのすごいところその2---Code of Conduct(行動規範)

OSSはそれぞれ行動規範を定めている。直接顔を合わせることのない人同士のCommunityだからこそ定められたのかもしれないが、人種や性別、など一見関係なさそうなことにまで及んでいる。初めて見たときは、お互いの色々な属性を尊重することを明文化するって日本にはない文化だ!すごい!と感じたのを覚えています。

CNCFの行動規範(抜粋私たちは、経験レベル、性別、性の自認および表明、性的嗜好、障がい、個人的な外見、身体の大きさ、人種、民族、年齢、宗教、または国籍に関係なく、このプロジェクトへの参加を、全員にとってハラスメントがない経験にすることを約束します。           認められない参加者の行動の例:                    性的な言語またはイメージの使用
個人的な攻撃
煽りや侮辱/軽蔑的なコメント

OSSのすごいところその3---ミスを受け入れる

これは文化の違いもかなりあるのでは?というのが率直な感想なのだが、OSSの仕組み自体がミスやエラー失敗を受け入れる文化なのだ。エラー発生したら、改善して新しいバージョンでリリースしよう!とか、betterな方法発見したけど、どう?とか。

日本のシステムはとにかく失敗をしないために何度も何度も何度もテストをするし、ミスが発生したら”なぜ、ミスが発生したのか”の分析に時間が当てられる。それが日本の高品質なソフトウェア開発に繋がっているので、全てが悪い訳ではない。何事も表裏一体。

そして、これらは英語圏の文化と多人種に結びついているのでは?というのが私の考察。

(本当にそう思っているかどうかは別として)
質問したら、”Thank you for your Good question”とか、土曜の授業に寝坊して参加したときも”Thank you for joining our class after busy week”などとにかく言葉が前向き。失敗しても受け入れる言葉がたくさんあるのでは?と最近考えている。

そして、多人種・多文化国家では、ある人にとっての当たり前は違う人にとっての当たり前ではない。だからこそ一見当たり前に見えるような行動規範が明文化されて、各OSSのよく見えるところに配置されているのかなと思う。

ミスを防ぐ だけではなく ミスを受け入れるマインドを持って日々仕事に臨みたいものです。


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