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本を出したい女の話21

クラウドファンディングとはインターネットを使い、友人知人はたまた不特定多数の人から自分の叶えたいプロジェクトに資金を支援してもらうサービスのことである。

銀行が信用情報を元に融資してくれるのと同様、通称クラファンもまた人と人の信用を元に支援してもらうことがほとんどだと今ならわかる。

私が初めてのクラファンで大コケした話をしよう。

2018年、私は世界一周の旅に出る際クラファンを実施した。その時は私の周りにチャレンジした人も居なければ、クラウドファンディングという言葉を知ってる人すらあまり居なかった。私も詳しくは知らなかったけど、興味が湧いたのである。まだ周りに認知も少ない、世界を旅する人すらそう居ない地元で私は挑戦してみたくなったのだ。資金調達がしたいというよりかは、周りを巻き込みたかった。1人でただ旅をするよりみんなでこの物語を作った方が楽しいじゃん♪と当時の私は周囲からの雑音も交わし己の野望に貪欲な無敵モードに突入していたので、きっとみんな面白がって支援してくれるはずだ!そして私が世界の景色をみんなに届けるぞ!なんて浅はかなことを思いながら目標達成金額30万円を掲げてスタートしたのである。

当時のクラファン企画ページにはこう書かれていた。

私はもともと人が喜ぶところを見るのが大好きです。

私にとって旅をしながら、髪を切って、セットして、相手が喜んでくれる、こんな幸せなことはないですし、英語もろくに話せず、貯金も少ない私が、やりたい!!という想いで実現することができたなら、今なにかを理由に一歩踏み出せない誰かの背中を押すことができるのでは!と思いこのチャレンジをすることを決意しました!

後半に言ってること、今もほぼ変わってなくて人の本質はそう変わらないのだなとつくづく思う。
なぜかはわからないが今も昔も誰かの背中を押したいらしい。もはやそれが私の使命なのか。

そして結果。支援者数9人支援総額¥51500

大失敗もいいとこである。(苦笑)

甘かった。あまちゃんすぎたのだ。企画の構成、熱量の伝え方、それを応援することで支援者にどんなメリットがあるのか、本当にちゃんと成し遂げるのか、成し遂げた先に何があるのか。全部弱い。当時は全力を尽くしてページ作成もしたし、暑苦しすぎるほどの熱量もあった。それでも側から見たらただ世界を旅したいからお金くださいと言ってるようなものだ。人はそんな簡単にお金は出さない。当時仲の良かった子でさえ、話は聞いてくれたけど支援はなかった。初めてアルバイトをした時も、働いてお金をもらうってこんなに大変なのかと思ったが、人に支援してもらうのはそれ以上に大変だということをその時知った。改めて支援してくれた9人には感謝を伝えたい。本当にどうもありがとう。

そして何より、クラファンを達成させるぞという熱量が足りなかったのである。旅をすることへの熱意はあったけど、支援してとお願いするのは恥ずかしかったし、自分にお金を払ってもらうことにも気が引けた。これは自信のなさから来るマインドブロックがあったことにも繋がるのだけど、自分を信じてないから、相手に支援してしてもらって成し遂げられなかった時どうしよう。という不安も生まれた。だから大声で言えなかった。
クラファンやってます!!支援してください!!と。支援者はわざわざクラファンの企画ページを開き、会員登録をし、クレジットカードを登録し、支援する。そんな手間暇をかけてもらうのだ、こちらが自信を持ってプレゼン出来ない時点で目標額を達成するなんて不可能。何かを始める時に大事なのは自分がすることに責任を持つ事。
これが一番最初にやるべきことだったみたい。

大コケしたけど、挑戦したことに全く後悔はない。達成出来なかった金額以上に価値のある学びを得た。失敗したとしても0と1では大きな差がある。1をたくさん積み重ねて100にでも1000にでもしていけばいい。0から1に踏み出した勇気は、その後も自分の背中を押してくれる。失敗することは恥ずかしいことじゃない。次のステップに進むための大切なチケットなのだ。

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