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気を付けよう!その言葉、エンジニアの信頼を失います

長年、開発現場で働いていると、こういう場面に出くわすことがあります。

マネージャ自身は、問題ない発言だと思っている
寧ろ、いいことを言っているとさえ思っている
けれど、エンジニアたちは内心すごく白けている

言葉だけで信頼を得ることはできません。
しかし、信頼を失うのは一言で十分だったりします。


君たちを全力でサポートします!

この発言は、あるプロジェクトで PM をしていたマネージャが、年始の会議で言ったものです。

その前年のプロジェクトは非常に混乱していました。誰も声高に訴えていませんでしたが、マネジメント不足は明らかでした。
そして、年間目標を発表し終えたマネージャが最後に一言、こういいました。

「私は、君たちを全力でサポートします!」

そのマネージャは、前年の失敗を反省する意味で言ったのかもしれません。
しかし、この発言は
「ダメだ・・・このマネージャは自分の仕事をまるで分っていない」
ということを知らしめただけでした。

素材提供:Adobe Stock

マネージャの仕事はマネジメント、サポートではない

例えば、サッカーのサポーターたちは、試合の結果に責任を持つでしょうか?

素材提供:Adobe Stock

サポーターたちに、そのような責任はありません。
選手たちの一助にはなりますが、責任者ではないのです。

では、監督はどうでしょう。

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監督には、試合結果に対する責任があります。
最高の選手たちを揃えておきながら、彼らの力を十分に引き出せなかった場合、最悪辞任する必要さえあります。

マネージャが本来すべきだったこと

プロジェクトの失敗は、PM の責任です。

PMは、
エンジニアたちは能力を最大限発揮できるように環境を整え、
必要であれば、彼らの生産性を上げるべく投資をし、
プロジェクトの状況を監視し、コントロールをし、成功に導きます。

彼がすべきだったことは、前年の混乱の原因を分析し、具体的な改善策を提案することでした。
プロジェクトを終結させた後も PM の仕事は終わりません。プロジェクト全体を振り返り、分析し、ノウハウを残し、次につなげる必要があります。

そして、それらを元に翌年の目標を定めなければいけません。
彼の発言は

私は、PM を辞めるつもりはないが、責任を全うする気もない

という、エンジニアたちにとっては絶望の宣言でしかなかったのです。

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