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「グラスホッパー」を観て


私は伊坂幸太郎さんの作品が好きで、これまでにもいくつかの作品を読んできたのですが、よく考えれば映画は一本も観たことがなかったなということで「グラスホッパー」を観てみましたが、原作を先に読んでいたせいか正直な感想を書くとすごく薄いなといった感じです。原作が面白かったので期待していざ観てみたらこんなものかと。
やはりそれぞれコンテンツとしての良さが違うのでしょうが個人的には原作を読むほうが楽しめるということなのか、とりあえずこれから伊坂作幸太郎作品の映画版を見ることはないかなという感じですね。

そもそも多くの映画が約2時間で作られている理由は人間の集中力を考慮してとか、映画館で作品を見る際にそれ以上作品が長いとお手洗いに立つ人が多くなってしまうなど、いろいろ言われているみたいですが、やはり多くの場合に小説や漫画を映画化する際、それを2時間にまとめる大変さ、登場人物の心情を細かく描くことができないなどの大きな問題があるのでしょうがとりわけ日本の映画に関して言えばその差が激しいように感じます。
これは映画の制作費の関係なのかはわからないですが、ジャンル違えど「ハリーポッター」や「スタンドバイミー」なんかを見た時はその差についてあまり感じなかったように思います。
何より思うのは、日本映画のキャスティングは多くの場合人気者で「この人を使っておけばある程度集客は見込めるのではないか」という演技が上手かや、キャラクターに合った人物であるのかは無視されているのではないかと思うことが多々あります。
日本で映画を作る際の市場の小ささを考えればキャステングする側のそのような意図はわからなくはないのですが、「これはどうなんだろうか」というようなキャスティングに疑問を抱く人は結構いるのではないかと思います。特に原作を読んでから実写版の映画を見た際は「とりあえず置いときました」とでも言うような人気者の存在が目を引き、残念に思うことが多いです。


まあこれは好みの問題であって、自分の贔屓の人物が出ていたら無条件で映画やドラマを見るという人が多いのだろうとも思いますし、別に映画業界としてもそのような作品で世界的に注目を浴びようなどと思っているわけでもないでしょうし、それはビジネスとしてはありなんでしょう。
どれだけ制作側が作品に納得しようが、見る人がいなければそれはただの赤字作品とみなされてしまうわけですし。
日本人の多くが望む作品を制作側が作成し、それを多くの人が楽しむ。それらの作品で楽しめない人がいるのであれば違う国の自分の好きな作品を勝手に見ればいいだけの話で、出来上がった作品にいちいち文句をつけるのは的外れであるような気もします。


ただ私としては漫画の実写化含め、原作を読んでから見た日本の作品でこれは良い作品だと思ったのは非常に少なく外れの多い印象を拭うことはできないですし、とりあえず伊坂幸太郎さん作品の実写化はもう見ないかなという感じですね。

原作が面白すぎて映画がつまらなく感じる。伊坂幸太郎さんの偉大さが身にしみました。


こんな批評的な文章を書いてしまい不愉快に感じる人もいるかもしれませんが、彼は私の正直な感想で、それ以上でも以下でもありません。要するに私の感想などで腹をたてる必要もないとの意味で、適当に流してくれればなと思います。


最後に一応添えておきますが。私は伊坂幸太郎さんの大ファンです。

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