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ノービザでのアメリカ滞在期限を延長した話@California

はじめまして。note最初の投稿です。このほど、のっぴきならない家庭事情で米国カリフォルニア州に滞在していましたが、パンデミックの影響が拡大、帰国予定便の欠航を受け、人生初の出国期限延長申請という、貴重な経験をしました。

パンデミックによる特別対応なので、情報が全然なく、解決まで少々てこずったので、同じ状況に直面した誰かの参考になるならと思い、書くことにしました。

なお、これはあくまでも個人的な体験談であり、状況は日々刻々変わりますので、必ずご自身で都度、政府サイトなどの公式情報にあたって、最新情報を取得してください。

1.ノービザでの滞在限度90日を越えるかも?

日本のパスポートは、ビザなしでのアメリカ旅行が可能です。これは日本が、米国のVisa Waiver Program(査証免除プログラム・VWPの対象国に指定されているからで、最大90日間の滞在が認められています。

今回、私はその制度を利用して、90日間の滞在を予定していました。厳しかったロックダウンも、5月半ばには緩和される地域もあり、帰国予定の6月には問題なく帰国できるだろうと思われました。

ところが、出国の約2週間前、滞在中の街から東京への直行便の欠航が報じられました。6月いっぱい、最寄りの空港だけでなく、ロザンゼルス(以後、ロス)以外の国際空港はアウトで、そのロス便も週1便のみ。

アメリカ国内便も欠航や減便が相次ぎ、距離にして200km程度先のロスの空港に行くのに、シカゴやダラス経由で40時間位かけるエクストリーム乗換が必要とのことでした。

それでも、そのロス便に乗れなければ、帰国できません。ロスまでエクストリーム乗換をするにせよ他の手段を取るにせよ、時間的な余裕があれば調整は可能、そう考えて、まずは航空券を押さえました。そして日本総領事館からお知らせがあった滞在許可期間の延長を試みることにしました。

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2.日本総領事館からの情報を参照するも、苦戦

【査証免除プログラム(VWP)を利用して米国に短期滞在する外国人渡航者向け,滞在許可期間の延長について】という表題で届いた日本総領事館のメール(※自分で受信登録したもの)は、以下のような内容でした。

件名:新型コロナウイルス感染症関連情報(4月21日)

【査証免除プログラム(VWP)を利用して米国に短期滞在する外国人渡航者向け,滞在許可期間の延長について】

4月17日,米税関・国境警備局(CBP)は,査証免除プログラム(VWP)を利用して米国に短期滞在する外国人渡航者(ESTA取得者)に向け,滞在許可期間の延長(Satisfactory Departure)に関する案内を発表しました。主なポイントは以下のとおりです。手続きに際し御不明な点がある場合は,米国当局にお問い合わせ願います。

(1)CBPが,VWP渡航者からの申請に基づき,新型コロナウイルスに関連した渡航制限,フライトの欠航,発病により米国から出国できない事情があるとして「Satisfactory Departure」を認めた場合,滞在許可期間の満了日からさらに最大で30日間の滞在延長が可能。

(2)「Satisfactory Departure」を希望するVWP渡航者は,パスポート番号を用意して以下に連絡すること。
・米税関・国境警備局(CBP):入国空港またはDeferred Inspection Siteのオフィス
(入国空港)https://www.cbp.gov/contact/ports 
(Deferred Inspection Site)https://www.cbp.gov/contact/ports/deferred-inspection-sites
・米市民権・移民局(USCIS):コンタクトセンター
(コンタクトセンター)https://www.uscis.gov/contactcenter 

・詳細につきましてはCBPのサイトをご確認ください
https://www.cbp.gov/newsroom/national-media-release/cbp-offers-flexibility-departing-visa-waiver-program-travelers

具体的な手順やパスポート番号以外に用意すべき情報も書いていないので、ちょっと戸惑いつつ、列記された連絡先のうち一番目の「入国空港」を開いてみました。

画面に表示された、クリッカブルな米国地図でカリフォルニア州のピースをクリックすると、「Locate a Port of Entry in California」という空港施設リストページへ遷移しました。街ごとに複数、連絡先があり、どれが正解か分からなかったので、片っ端から電話をかけました。

かけたタイミングが悪かったようで、ほとんどが留守電、1回だけ人が応答したものの「私じゃよくわからないから、来週かけなおして」と切られてしまいました。

少し気持ちが凹んだので、ネーミングがフレンドリーな「コンタクトセンター」を見てみました。このサイトには Emma さんというAIアシスタントがいて、質問を書き込むと、一瞬で膨大な情報量を返してくれる親切なサービスがあります。

今回のキーワード「Satisfactory Departure」について、Emmaさんに質問してみました。その概念については教えてくれましたが、どうやったらその権利を得られるかについては、回答が得られませんでした。

コンタクトセンターにも敗北し、少し焦りが出てきました。最後の「Deferred Inspection Site」は、該当エリアのオフィスの受付時間が、月〜金曜日の正午から午後3時までと短いため、月曜の午前中から電話に手を置き、準備しました。

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3.ようやく見えた全体の流れ

これまで敗北続きだったので、今回もそれなりの苦戦を予想していたのですが、受付開始早々にかけたのが良かったのか、意外にあっさりと受電され、親切な男性オフィサーが、穏やかな口調で応答してくれました。

パンデミックでで帰国便がキャンセルとなった旨を伝え、入国日と出国予定日、パスポート番号などの質問に答えると、I-94 と呼ばれる、電子式自動出入国審査システムの記録を修正する必要があると教えてくれました。つまり「I-94修正」が、今回必要な主たる作業でした。

この I-94 について、少し詳しく説明すると、市民権や永住権保持者以外の旅行者が訪米した際、自動で作成されるデータのことで、ウェブサイトでパスポート番号などを入力すれば、過去5年分の渡航記録を見たり、紙に印刷したりすることができます。

この記録が合法的な滞在資格があるか否かを証明するので、パスポートの記載がどうであっても I-94 が有効であれば問題ない、ということになります。これは私のようなVWP利用者だけでなく、ビザ取得者も同様です。

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4.申請のプロセス

さて、先ほどの男性オフィサーが 「I-94修正申請フォーム(Application for Correction of Arrival / Departure Form(I-94))」を受け取るためのメールアドレスを口頭で教えてくれました。

そのアドレスに空メールを送信すると、必要書類・必要情報と申請方法の詳細、注意事項、そしてその修正申請フォームが添付された自動返信メールが返ってきました。

主な内容はこんな感じです。

【 必要書類 】
1. もれなく記載された I-94 修正申請フォーム(メール添付で)
2. パスポートの顔写真のついた情報ページの写し
3. 米国ビザの写し
(※今回は該当しませんでした)
4. (可能であれば)最新の米国入国のCBPアドミッションスタンプの写し
5. (※これ以外はビザ取得者向けの条件だったので割愛します)

【 主な注意事項 】

* 申請フォームの記入や必要書類を確実に揃えてメール送信して下さい(不足してると処理できません)
* 必要書類が全て揃った時点で処理を開始します
* 修正処理の完了連絡はしません
* 上記以外の書類が必要な場合や、ご自身に赴いてもらう必要がある場合連絡します
* 処理には5〜7営業日かかります
 など

【 申請フォームの項目 】

* 修正の申請理由(記述式。今回は「Satisfactory Departure Request」と書くように指示がありました)
* 名前・生年月日
* パスポート情報
* ビザ情報(米国ビザを持っている場合)
* 最新の入国情報(日にち、入国した空港、搭乗便情報、ビザの種類)
* 修正理由(4択式)
* 米国滞在中の住所
* 直筆サイン
* 記入日

この他、口頭でオフィサーから、以下のフライト情報も出すよう求められました。

 * キャンセルになった元のフライト情報
 * キャンセル状況を示すもの
 * 振替(取り直した)フライト情報

これらを網羅し、申請準備ができました。なお、修正依頼フォームは、自筆サインが必要なので、印刷してスキャンするか、ペンダプなどで pdf にサインを書き込めるアプリなどを用意する必要があります。

また、振替のフライトを予約済み(=つまり、米国から確実に出国する日が確定している状態)でないと、I-94修正申請は行えないそうですので、注意が必要です。

処理が終わるまで5〜7営業日かかると書いてあるため、やり直しによるタイムロスを避けるため、内容を3度確認し、先ほどのメールアドレスに送信。仕組上、同じ自動返信メールが返ってきますが、送ったものは届くべきところに届いているので、問題ありません。


5.更新完了!

申請書を送信して、半日も経たずに CBP(US Customs & Border Protection)からメールが届きました。書類に不備があったのかもしれないと、慌てて開封してみたところ、こんな内容が。

Your request has been accommodated. Please check at https://i94.cbp.dhs.gov for your updated record of arrival.

(適用されました。更新情報をサイトで確認してください。)

予想を遥かに上回る高速対応で、拍子抜けしました。早速、I-94を確認したところ、確かにデータは更新され、滞在可能期間が30日延長されていました。申請のタイミングも良かったのかもしれませんし、できるだけわかりやすい資料を使ったのも良かったのかもしれません。

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6. まとめと注意点

滞在延長手続きの大まかな流れと、注意点をまとめました。

1.  CBPのサイトで現状のI-94から滞在可能期間内にあることを確認
 注意:十分に余裕がある日程で。ギリギリの申請は危険です。

2.  Deferred Inspection Site もしくは入国空港、米市民権・移民局(USCIS)コンタクトセンターに電話、状況を説明し指示を仰ぐ
 ・米税関・国境警備局
    > 入国空港https://www.cbp.gov/contact/ports 
    > Deferred Inspection Site
     https://www.cbp.gov/contact/ports/deferred-inspection-sites
  ・米市民権・移民局(USCIS)
    > コンタクトセンターhttps://www.uscis.gov/contactcenter 

3. オフィサーの指示に従い、書類をまとめて送信

4.  申請後は自ら I-94の確認(処理完了通知は来ない場合があります)
その他:
*情報収集: 外務省からのメルマガをお勧めします。
(登録はこちら→「海外安全情報 無料配信サービス」 )

途中、心がおれそうにもなりながら、無事に申請完了し、そして滞在中の街からロスまでの移動問題に着手しました。親切な知人が片道2時間の運転を引き受けてくれることになり、こちらも無事に解決しました。

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