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#8 言葉がなくても

息子には小学校6年生から現在まで、ずっと同じ学校同じクラスの友人がいます。その子(友人Aくん)の家も近く、休日になるとAくんがお父さんの代わりに重たい荷物を持ってあげているのを見かけては、

「もう!Aくんは重たい荷物を持ってあげてたよ!」

と、家に帰ってきてはゴロゴロしている息子に愚痴ったりしています。


小学校のころ

Aくんは、小学校のころは失語症でした。親の私たちも詮索はせず、何があったのかは、いまだにわかりません。

Aくんは全く喋れなかったのですが、息子は放課後も一緒に遊んだりしているようでした。小学校6年生の遊びは、コミュニケーションが必要なものが多かったと思います。

でも、いつも一緒に遊んでいたので、

「ねえ、Aくんと仲良いの?Aくんが話したいことわかるの?お母さんだったら、遊ぶの難しいな、って思うけど。。。」

と聞いてみたところ息子は、

「Aくん、めちゃくちゃおもしろい子だよ」

「ぜんぜん話せないんだけどね、僕、Aくんが言いたいことわかるんだ!ジェスチャーとかね、字書いたりね」

衝撃でした。私が小学生の頃、お話しできない子とコミュニケーションを取る方法を探ったりしたでしょうか?単純にすごいな、と感心しました。

息子のピュアな心がしっかり言葉となった日でしたので、よく覚えています。

短大の入寮の日

息子は、専門学科がある高校に行き、同系列の短大に入り、寮生活をすることになりました。

仲良さそうにしている同級生がいるな~…

と遠くから眺めている感じでした。すると、仲良さそうにしている同級生のの親御さんが、私のところへ来て、

「嗚呼、なかまゆさんですね!いつも本当にお世話になっております。」

と深々と頭を下げるので、びっくりして、私も頭を下げたものの、?????なんだ?なんで私を知っているの????と、頭の中は「クエスチョンマーク」で埋め尽くされたのでした。


突然の報告

入学して1年がすぎた時、息子から突然、

「いつも一緒にいる子さ、Aくんだよ」

また衝撃。(何よりも、言うの遅っ!)

そっか、今でも仲良くやってるんだな…

「Aくんめちゃくちゃおもしろい子だよ」

「僕、Aくんが言いたいことわかるんだ!」

ジェスチャーとか言ってたけど、それ以上に繋がる何かがあったんだろう、と今は思っています。






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