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変わり果てた下北沢で見つけたオアシス・本多劇場

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「いや、ここどこ!?」


そんなふうに叫びたくなるほどすっかり変わってしまった下北沢。ゴールデンウィーク2日目に行ってきました。下北沢にやってきた理由はひとつ。あの本多劇場で舞台を観るためです。


公演が始まるのは13時。下北沢が自分が学生時代に遊んでいたときとは随分と変わっていることだけは知っていたので、早めに行って駅周辺を少し散策することにしました。


ただ、まぁ〜居心地の悪いこと悪いこと。笑




入った定食屋には大学生〜卒業したてくらいの若者がたくさん。最後に下北沢を訪れたときから私も歳を重ねて、悲しいかなそういう場所に居辛さを感じるようになってしまったことを痛感させられます。


さらに驚くべきは信じられないくらい綺麗な京王線高架下の商業施設。あのごちゃごちゃっとした印象があった下北沢の駅周辺は"とっても綺麗な場所"へと様変わりしていました。



とにかく、久しぶりに訪れた下北沢はすっかり変わってしまっていて、また自分自身も当時からずいぶん歳を重ねたことを突きつけられた感覚に陥りました。時が経てば、変わっていくことは当たり前のこと。いまの下北沢に不満があるとか、文句を言いたいとか、そういうわけでは決してありません。



ただ、街も自分自身も「あぁ変わってしまったなぁ」という悲しいような、感慨深いような、複雑な気持ちを抱くのが人間というものでして…。とにかく公演が始まる前に、そんな感じでひとり打ちひしがれていました。



お昼も済ませて、ぷらぷら歩いているうちにあっという間に開場時間。私は人生で初めて演劇の聖地・本多劇場へと向かいます。そこで私は、ここ数年体感したことのない電気が走るような感覚に陥りました。




な、なんだこの劇場は…!!!


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すっかり変わり果てた下北沢という街の中で、ここだけ時の流れが違うというか、まったくの異空間というか…。それまでどんどん新しいものを作り上げている下北沢という街にいたのに、本多劇場に入ったとたんタイムスリップしてしまったような感覚になりました。フットボールアワー後藤さん風に言うならば、「高低差ありすぎて耳キーンなるわ!」という感じです。



他の小劇場で行われている公演のポスターたち


パーカーを着てチケット確認や、物販をしているスタッフさんたち。


「同じものが好き」な感じがぷんぷんするお客さんたち(勝手な想像)



先程とは打って変わって、ものすごい居心地の良さを感じました。みんなで何か面白いものを作り上げようとしている文化祭的な熱意とか、そう言ったものに価値を感じて今日この場に集まったお客さんたちに勝手ながらシンパシーを感じまくりました。


そしていよいよ客席へ向かいます。


そこでさらなる衝撃。


せ、せま!え!?なに、こんな近いの!??



本多劇場のキャパは400席以下。私の席は後ろから数えて4〜5列目くらいでしたが、きちんと肉眼で役者さんたちの表情を捉えることができました。


ちなみに今回観劇した舞台『ケダモノ』の出演俳優さんは以下の通り。


大森南朋

田中哲司

門脇麦

荒川良々

あめくみちこ

清水優

新井郁

赤堀雅秋


きっと演劇に興味がないという人でも、大森南朋さんや門脇麦さんなんかはテレビで一度は観たことあるでしょう。そんな人たちを近い距離で、双眼鏡もなしで、生で演技していることを観ることができるんです!すごくないですか?



これまでも何度か舞台を観に行ったことはあるのですが、大体どれもキャパ数千の立派な劇場ばかりでした。そういったところで行われるような公演というのはチケットを取るのも難しく、当たってもものすごく後ろの席。双眼鏡がないと演者さんの顔もよく見えないくらいの距離です。



だからこの本多劇場の舞台・客先のコンパクトさは私にとってかなり新鮮だったのです。大きな劇場ではなかなか味わえない、舞台上で起きていることをこちら側(客先側)も一緒に目撃・体験しているような感覚がそこにはありました。舞台に立っている演者さんと、いま、同じ時を過ごしている。それをより実感できるのが本多劇場でした。



立派な舞台だとセットや音響も豪華にできたり、ダイナミックさという点でそれにはそれの良さがあります。ただ、こうした狭い劇場で近い距離でプロの表現を観ることができる体験はこれまでに感じたことのない刺激でした。



観たいドラマや映画があればなんでもスマホで観れてしまうこの時代。それはとても便利なことだけど、その分エンタメから受ける衝撃って良くも悪くも少なくなっていってる気もします。



そんな時代だからこそ、こうした劇場で演劇を観るということはすごく価値あることだし、これからもあり続けてほしい。次はスズナリとかさらにディープそうなところに行ってみたいな…。

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