いっそ見た目は置いといて、Sexy Zoneの音楽聴いてよ。【vol.2】
それは、耳から全身を走る衝動。
聴いて感じるしか他はない。
私はかねてからずっと思っている。
本当に、知らなくていいの?
Sexy Zoneの音楽
と。
ただ顔の良い男の子たちがキラキラと揺れているだけだと思っているならとんでもなく勿体無い。
彼らはもう、そんな次元にはいない。
もう一度、言わせてほしい。
いっそ見た目は置いといて、Sexy Zoneの音楽聴いてよ。
…急に熱くはじまってしまって申し訳ない。
でも今日だけはご容赦願いたい。
突然の真夏日に戸惑いを隠せない昨今、私にもとんでもなく輝きに満ちた夏が、駆け足でやってきたんだから。
「ザ・ハイライト」
6月1日発売のSexy Zoneのニューアルバムだ。
今日は貴方の時間を少しだけ私に。
そして「ザ・ハイライト」の、Sexy Zoneの音楽の紹介をさせて欲しい。
きっとその先には、想像しなかったほど熱く、輝いた夏が貴方にも訪れるはずだから。
百聞は一見にしかず
紹介をしたい。と言ってみたものの、冒頭に述べた通り、兎にも角にも聴いてもらいたい。
今回のアルバムに関しては公式YouTubeで全曲ダイジェストがアップしてある。取り急ぎ、まずはそちらを聴いてみて欲しい。
いかがだっだろうか…?
「Sexy Zoneって、こんな曲を歌う人たちでしたっけ?」と思った方も多いのではないだろうか?
Sexy Zoneといえば、ちっちゃい男の子たちがキラキラアイドルソングを歌っているイメージがやはり強いはずだ。
しかし時代は進んでいる。小さく可愛い男の子たちで編成されたグループも昨年10周年を迎え、平均年齢も25歳を超える。立派な大人のグループになった。
成長期も思春期も全部Sexy Zoneに注いだ彼らなんだから、それは人間が成長するように音楽だって成長する。
油断してノーマークでいるのは勿体無いこと、お分かりいだだけたはずだ。
さて、もう少しこのアルバムの魅力が伝わる話をしていこう。
錚々たる楽曲提供陣
今回のアルバムは楽曲提供陣がすごい。
3曲目に収録、リード曲にもなっている「THE FINEST」はNulbarichのJQ氏が作詞作曲。グルーヴィな一曲になっている。
4曲目の「夏のハイドレンジア」はシングル曲。秦基博氏作曲の夏の王道ラブバラード。
10曲目の「休みの日くらい休ませて」は岡崎体育節満載のコミカルポップ。
12曲目「Summer Ride」はSTUS氏提供のチルな夏のR&B。
13曲目の「Dream」はiri氏提供のリアルに刺さる刹那漂うラブバラード。
これはもう、豪華がすぎる。
この5組が夏のオムニバスアルバムを作ったとしよう。…とんでもない傑作が出来ること、音楽に精通している方なら容易に想像できるはず。
それが、現実に起こっているのだ。
しかもこのアルバム、ダイジェストだけ聴いてわかった気になるのはまだ早い。全曲をフルで通しで聴いていくと、全く違う広がりを持つ。
今、想像している数倍。感情が鮮やかに揺さぶられる究極のエンターテイメントアルバムなのだ。
本当のハイライト
「このアルバムのどの部分(楽曲)を切り取ってもすべてに光が射し輝く“ハイライト”」という意味を込めた「ザ・ハイライト」というタイトル。
一曲一曲が聴者それぞれの大切な瞬間にリンクする。
そんなテーマと並行しているのが、レトロポップ。80's、90'sの音楽をオマージュしたシティポップ要素がふんだんに盛り込まれている。
レトロなシティポップで繰り広げられる人生のハイライト…。こんなの沁みるに決まってる。
絶妙に懐かしいメロディと自身のハイライトが重なって音楽と自分がリンクしていく時、本当の"ハイライト"が見える。それがこのアルバムの最大の魅力なのだ。
ザ・ハイライト
ここからは内容をもう少し深掘りしていこうと思うけど、私は音楽を深く語れるほどの知識はないし、きっとそういう記事はもっと著名な方々がこれからどんどん上げてくれるはずだ。
なので私は、私なりの解釈ではあるが、このアルバムのエンタメ性、心模様に注目して書いていきたい。
感情の赴くままに、出来るだけ初めて聴いた時の感覚を大切に感じたことを書いてみることにする。
オープニングセレモニー
リード曲「Forever Gold」
スタジアムロック、フュージョンの要素も感じるメロディーが楽しい時間の幕開けを知らせる。
これはこのアルバムを象徴する曲で"永遠に輝く日々"という意味合いを込めて「Forever Gold」
この曲の中で彼らが表す"永遠に輝く日々"は紛れもなく過去の日々なのだが、そんな過去の輝く日々があるからこそ、今もまた輝くことが出来る。そんなメッセージが込められた一曲だと思っている。
底抜けに明るいのに、どこかノスタルジックな4人の姿が、このアルバムの地図を差し出しているよう。
ここからSexy Zoneと、心の旅を始める。
揺らぐシンセサイザーの音色が懐かしく響く2曲目の「Desideria」。90's調のバッグミュージックに、軽やかさと儚さが入り混じった歌声がネオレトロを象徴している。
1曲目のパワフルでストレートな歌声からの対比もまたズルい。「彼らは一体何を隠し持ってるんだ?」と震え、気持ちがグッと前のめりになる。2曲目にして既にキラーチューンが登場したような衝撃なのだ。でも、これはまだ始まりに過ぎない。
3曲目にはまた2曲目のリード曲「THE FINEST」が入ってくる。前述の通りNulbarichのJQ氏が作詞作曲。1,2曲目と比べると少し落ち着いたテンポが早まった心拍をなだめる。
とはいえ、こんなグルーヴィな極上のシティポップを聴かされたらこちらのアドレナリンはドバドバ止まらないのだけれど。
こんなこと言ってる人他にいないから、これは私の解釈違いかもしれないが、
「Desideria」は男性的、「THE FINEST」は女性的な恋愛初期の胸の高鳴りを表してるんじゃないかと、最初に聴いた時からずっと考えている。
双方のメロディーから感じる波長の対比が絶妙に2つの曲が駆け引きしているようで。この2曲の渦の中にグルグルと酔っていきたくなる感覚が恋のそれによく似て感じるのだ。
このままどうにかなってしまいたいほどアルバムの世界に心酔していきそうになった時、一筋の雫が空から落ちる──。
王道を持っている人たち
「夏のハイドレンジア」
目の前に広がった夜のネオン街が、急に雨上がりの青空に変わったような感覚。
それが違和感ではなく、場面転換、タイムリープのような"力"となって心に働きかけてくる。
知らないアーティストのCDを手に取ったような感覚にもなる冒頭の3曲から王道のラブバラードへ。
遠くに感じた彼らとの距離が一気に縮まり、隣で優しく寄り添う。この安心感は異次元。
「Sexy Zoneにはこれが出来るんだぞ」とドーンと構えられていたような気分。悔しい。これが10年間王道のポップスを走ってきた貫禄。Sexy Zoneにしか出来ない展開にぐぅの音も出なかった。
そっとレコードプレーヤーに針を落とし始まるウェディングソング「Iris」が軽やかに響き、アップテンポなサマーチューン「SUMMER FIVER」が身も心も一気に解放する。
そしてストレートな歌声で優しく歌い上げるささやかなラブソング「Story」で一度この物語は山を迎える。
ここまででもう信じられない充実感なのだが、今のSexy Zoneはこんなものじゃ終わらない。
黒光りする魅力
世界は色を変える。
「Story」までは美しく夢のようなハイライトが、ブリリアントカットのように均整の取れた光となって届けられていたのだとすると
ここからはリアル。
割れた鏡が乱反射しているような棘のある光が突き刺してくる。
ダークで風刺的な「Eliminator」
EDMの重たいビートが腹の底に響きながら身体中に血を流す。
危険な情緒も整わないまま襲いかかってくる「Freak your body」はSexy Zone史上考えられない程にアダルトで、生々しい。私は無意識にゴクリと生唾を呑んでいた。
この気持ち、どうしてくれる?もう後戻り出来ないぞ…?と思っていたのも束の間。
「休みの日くらい休ませて」が『全部嘘ぴょ〜ん』と言わんがばかり、悶々と渦巻いた黒いものをコミカルな歌声で全部吹き飛ばした。まったく、肩透かしもいいところ。
でもこれ、妙にリアルで。
現代の社会人なら、「Freak your body」した翌朝に「休みの日くらい休ませて」と叫びたくなるようなことって普通に起こるというか。
とんでもない展開のようで実はよくある"ハイライト"
そんなリアルさがまた面白くって、余計よくわからないハイテンションになる。
そのまま向かい入れるのはファンキーなパーティーチューン「LET’S MUSIC」
シングルとして発売された当初は『ここからSexy Zoneの音楽が始まるぞ!』と肩を回しているような一曲だったけど、こうしてこのアルバムの終盤に入ると『Sexy Zoneの音楽カッコよかったでしょ?』と得意げに微笑んでいるようで、そんな響き方がまた誇らしい。
ハイライトとは
アルバムも終盤。祭りの後の静けさを感じる「Summer Ride」
みんなで分かち合う時間から、自分と向き合う時間に変わっていく感覚。この落とし方もまた上手い。
スッと静かになった空間、そっとギターのアルペジオ。独り言のようにポツリポツリと歌い出す「Dream」。
暗い部屋の冷たい床の上におもむろに頬をつけたような寂しさとやるせなさが心を鎮める。
ザ・ハイライト
すべてに光が射し輝く。
このアルバムの中でこの2曲に眩しいほどの光はないかもしれない。
けれどもこんな風に心に残った切なさや、やるせなさはなかなか忘れることのない瞬間で。自身を形作る大切な"ハイライト"。なのではないだろうか。
輝くものだけが光じゃない。喜びも悲しみも悔しさも欲望も、全ての想いがまた新しいをハイライト生み出すのだと改めて考えさせられた。
ポップミュージックの殿堂
心地良い孤独感に浸っていたところで、ラストに投下されるのは王道レトロポップ「Ringa Ringa Ring」
レトロなホーンの音に「シュビドゥビッ」と懐かしいコーラス。90年代に流行った渋谷系の要素も感じる。
最後にしっかり王道レトロで王道ポップな一曲。
今も昔も変わらず男女を繋ぐ"電話"がキーになったラブソングというところも小粋に感じる。
そして、このアルバムが今のSexy Zoneの居場所なんだなと強く感じた一曲でもあった。
ポップミュージック。広義的な意味で言えばこのアルバムに入っているのは全部そうなんだと思う。その中でも1つの道を極めるアーティストもいるけれど、Sexy Zoneはそうじゃない。
確固たるモノは"Sexy Zoneである"ということだけ。あとはどんな音楽だってSexy Zone色に染めて、ポップで鮮やかに世界に届ける。そんな自信を感じた。
明るく優しく、そして華やかな一曲なんだけど、幅広い音楽の最後にこれを持ってくることで、「変化は恐れないけれど、流されることはない。」そんな決意表明のようにも感じ、実に彼ららしい、男前な終幕に思えた。
今に始まった話じゃない
私の「ザ・ハイライト」解説は以上となる。
魅力は感じてもらえただろうか…?
さて、この「ザ・ハイライト」、確実に名盤なんだけれども、彼らは一夜にしてこの作品に辿り着いたわけじゃない。
これは、ずっと前から磨いてきた音楽性の賜物で、
ストーリー性を感じるアルバムの構成は、2019年にリリースしたアルバム「PAGES」に通ずるものがあると思っているし、
前作のアルバム「POP×STEP」もtofubeatsやLUCKY TAPESの高橋海、BIGMAMAの金井政人など、豪華なアーティストの曲を自在に歌っていた。
流暢な英語を豊かな表現力で使いこなすのは、2020年にレーベルを移籍した時から、シングルをリリースする度に全編英語詞の曲をカップリングに入れ込んでいたから。
昨年話題になった「RIGHT NEXT TO YOU」もそうだ。
チルなバラードも
ハウスも
ファンクロックだって
ずっと前から持っていた要素だ。
Sexy Zone、少しずつ見え方が違ってきたのではないだろうか…?
手に入れるなら早めが吉
さて、ここまで読んでいるならSexy Zoneも、「ザ・ハイライト」も気になってしまっているはず。
もし手に入れようかと悩んでいるのなら、早いに越したことはない。
何故なら、実質全形態初回限定盤だから。
「Forever Gold」のMVとメイキングのDVDがついた初回限定盤A
「THE FINEST」とジャケット写真のメイキングが付いた初回限定盤B
そして極め付けは通常盤。
本来だったらCDが1枚ついているだけのお手軽盤のはずなのに。通常盤のお値段そのまま、初回プレス盤にだけ、バラエティ企画が入ってる。
その名も、「〜ドラマあるある〜このシチュエーションは俺のモノ選手権」
正直、かなり見応えがあるメンバー4人のエチュード対決。
完成された音楽と、自然体なキャラクターのギャップにもきっと驚かされるはず。
暫くすればこの通常盤、お値段変わらずCDのみになってしまう。…どうせなら、DVDついてた方が得した気分になるのでは?
CDプレーヤーは持っていなくて大丈夫
音楽配信がポピュラーになった昨今、今更CDなんて聞くツールを持っていない。そんな人も居るかもしれない。
安心してほしい。プレーヤーがなくてもスマートフォンで聴ける。
このCDにはもれなく黒いバラの描いたカードが入っている。その裏のQRコードを読み込むと取得できる「SZ10THアプリ」を使い、同じくカードに刻まれているシリアルコードを読み込めばすぐに「ザ・ハイライト」が貴方の手の中に。
再生しながら、歌詞も読める。
これ、すごく便利。
しかもこのアプリ、かなり高音質。鮮やかな音色と心地良い音圧で「ザ・ハイライト」を楽しめる。
これはSexy Zone独自の特典で、昨年発売されたベストアルバム「SZ10TH」から始まった。
メンバーから出たアイディアでもあるようで、きっとCDプレーヤーを持たないような気軽に音楽を楽しみたい方々にも、Sexy Zoneの音楽に触れてほしいという想いあってこそ生まれたコンテンツに違いない。
どうか、彼らの想いも1人でも多くの人に届いてほしいものだ。
いっそ見た目は置いといて、Sexy Zoneの音楽聴いてよ
アルバム発売を機に、Sexy Zoneの音楽の魅力を思う存分綴ってみた。
誰か1人でも、「聴いてみようかな?」と思った人がいるなら、これほど嬉しいことはない。
肩書きが、綺麗な容姿が、聴くべき人に彼らの音楽が届かない要因になってしまっているんじゃないか?
そんなもどかしさを感じて、このようなタイトルのnoteを書いた。
【vol.2】だから、もちろん【1】がある。
まさか、このnoteの続編を書くことになるなんて。全く考えていなかった。
でも、どうしても気づいて欲しかった。知らないのは本当に勿体ないと思った。是非、偏見を持たずに一度聴いてみて欲しい。
しかし、私は彼らに"アイドル"でなくなって欲しいわけではない。
寧ろ"アイドル"だから良い。
アイドルだから、何者にもなれて、アイドルだからコアな層に留まっていたかもしれないクールな音楽を大衆的に愛されるものに出来ると思っている。
だから末永く、"アイドル"として表現したいことを発信し続けて欲しいと、私は願ってやまない。
そうやってエンタメを豊かにするために彼らはジャニーさんからSexy Zoneという命を受けたんじゃないか?とすら思っている。
11年目のSexy Zone。10年戦って沢山の武器を手に入れた。これから、どんな進化を遂げていくのか私は楽しみで仕方ない。
貴方もこの「ザ・ハイライト」から見届けてみるのはどうだろう?
きっと輝きに満ちた新しい"ハイライト"がここから始まる。
特設サイトはコチラ
最新のライブ映像「SZ10TH」
リード曲「Forever Gold」の感想noteも良かったら。
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