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「人財が流入し、育成できる仕組みと文化をつくりきる」人財開発部部長、秋元章吾が見据える“採用の先”

現在マイスターエンジニアリングでは、グループ会社18社(24年5月現在)の採用支援も含めて年間で数百名の人財を採用し、研修を行っています。

今回のnoteでは、メンテナンスや工事を担う技術者が不足し、日本の基幹産業が立ち行かなくなる危機に立ち向かうため、技術者の裾野を広げようと奮闘する人財開発部の取り組みや今後のチャレンジについて、人財開発部の部長を務める秋元章吾が紹介します。


マイスターエンジニアリングの人財開発

マイスターエンジニアリングの人財開発部は、一言でいうと「より効果的に事業推進ができる組織」をつくるための部門です。現在は主に「採用」と「研修」を行っておりますが、本来的にはカルチャーの醸成など「組織開発」も我々が担うべき領域で、今後注力していきたいと考えています。

研修を企画・運営している研修室は、単なる座学に留まらず、OJTも取り入れた育成の仕組み・風土づくりをグループ会社も巻き込んで作っているところが特長です。採用チームは、当社単体の新卒・中途採用はもちろんのこと、グループ各社の採用支援も行っており、年間数百名単位の採用を担っています。

各チームの仕事や人財開発部の雰囲気については、ぜひこちらの記事もご覧ください。

事業成長に直結する採用

マイスターエンジニアリンググループは、技術派遣と工事やメンテナンスなどの請負業務を行っており、どちらも人の手による技術サービスを提供しています。つまり、我々が展開しているのは、働く人(技術者)が直接的に付加価値を生み出す事業です。

一方で、メンテナンスや工事を担う職種はネガティブな印象を持つ方や、そもそもイメージがない方が多く、職業として選択肢に入りづらいために人財不足が深刻で、需要過多となっています。そういった状況の中で、採用というかたちで供給を増やすことができれば、グループ全体として事業を成長させることができます。

また、グループに加わってくださる企業の経営者の思いに応えるという意味でも、採用はもっとも重要であると考えています。採用はスケールメリットが出しやすい分野です。我々のグループに参画する企業は、事業を成長させたくても新たな人財を採用することができずに悩んでいるケースが少なくないのですが、当社は採用の規模が大きいため、人材紹介会社様との関係も築きやすく、グループ各社へも優秀な人財を供給することができるのです。

マクロな視点では、経験のある技術者が不足している状況を改善するためには技術者の裾野を広げることが重要であると考えており、そのために当社では微経験や未経験の人財を積極的に採用しています。インフラやものづくり等日本の基幹産業を支える技術者の不足によって、2030年には重要インフラ分野の3割以上の設備でメンテナンスが成り立たなくなる可能性があることが分かっていますが(2030年クライシス)、その危機に歯止めをかけるという点でも意義のある仕事だと考えています。

M&Aで広がるグループ会社のネットワーク

情報の壁を取り除き、ミスマッチを防ぐ

微経験や未経験の方に技術者としての新たなキャリアを選択いただくために最も重要なことは、ミスマッチなく動機づけをし、納得してご入社いただくことです。我々は長年採用活動を行っていますが、正直なところこれまではあまり積極的な情報発信ができていませんでした。今後は、いい面はもちろん懸念になりうることもきちんと発信し、面接でもお伝えすることで、情報の壁を取り除いていくことが課題です。

そのためには、当社内の様々な部門や18社あるグループ会社がそれぞれどのような思いでどんなことをしているのか、そしてどのような人財を求めているのかを徹底的に把握することが重要です。

採用担当が技術的な面も含めてしっかりと理解をし、それを語れる状態をつくるために、組織の最適化も進めています。これまでは、それぞれのリクルーターがどの領域に対して採用責任を持つかを明確にしておらず、幅広い領域を全員でカバーするというやり方をしていました。しかし、我々は何百もの求人を出しているので、そのやり方ではひとつひとつを深く理解することができません。そこで、担当領域を決めて各自が責任を持つスタイルへと変更しました。リクルーターは、営業担当とのコミュニケーションを積極的に取り、担当領域について誰よりも語れるようになることが求められています。

また、応募者の希望に合わせて様々な案件の機会を提供できることが我々の強みであり、それを実現するには多くの求人を把握し、タイムリーに提案することが必要ですが、これまでは情報の蓄積ができていなかったため、どうしても漏れが出てしまう状況でした。そこで、現在Googleマップ上に求人情報を可視化する企画をメンバーが推進しています。これにより、応募者の方の居住地から何キロ圏内にどのような求人があるか、すぐに分かるようになります。

そのほかにも、グループ会社の採用ページを刷新したり、人材紹介会社様のキャリアアドバイザーに入社後の社員の声を届けたりなど、情報を発信して採用の質を向上させるためのプロジェクトにも積極的に取り組んでいます。

キャリアの転換点に立ち会う喜び

前述の通り、我々は技術者の裾野を広げるために経験者以外の採用を積極的に行っており、その規模も大きいため、様々なバックグラウンドを持つ方々と会ってお話をする機会が豊富です。いろいろな考え方や経験を伺うこと自体も貴重で採用業務の面白さではありますが、応募してくださった方々の新しいキャリアの形成に携わることができるのも、喜びでありやりがいであると感じているメンバーが多いようです。

たとえば、もともと医療系のお仕事をされていてエンジニアは未経験だった方が、フィールドエンジニアとして当社に入社したというケースなどもあるのですが、職種の幅が広いからこそ、納得いただける最適なキャリアプランを練り、応募者の方の人生にポジティブな影響をもたらす経験ができると考えています。

そのほかにも先日チームで実施したワークショップでは、高い目標に対して着実に数字を積み上げていくことや、採用の質を挙げるためのプロジェクトを通して自己成長が感じられる点が当社の採用業務に携わる面白さとして挙げられていました。

採用サイト上で動画などを活用し魅力を知ってもらう

グループ会社の採用に変化を生み出すチャレンジ

当社ではグループ会社の採用支援も行っておりますが、そこにはまだまだ課題が多いことも事実です。たとえば、そもそも採用ページなどの情報発信コンテンツがなかったり、昔ながらの選考プロセスを続けていたり、採用上ボトルネックになりうる制度設計であったりなど、非連続的に解決すべきことは各所にたくさんあるのですが、これまではリソースを十分に割くことができていないのが実情でした。

そこで、今後はグループ会社の採用企画のポジションを新設し、それぞれの会社のフィロソフィーや歴史、文化を深く理解し、情報発信コンテンツや制度設計に落とし込めるようにすることで、変化を生み出そうとしています。担当者には、各グループ会社社長のHRビジネスパートナーとして、自ら課題を特定し、解決に導いていただきたいと考えています。

非連続の変化を生み出すための人財育成

人財開発部で求められる変化とは、連続的なものではなく非連続の、課題のサイズに関わらず状況がガラッと変わったと感じられるような変化です。すべてのメンバーに非連続の変化を生む能力を身につけていただきたいと考えており、そのために重視しているのが、作業ベースではなくプロジェクト全体を任せるということです。

任されたプロジェクトについては、プロジェクトオーナーとしてアクションプラン作成から実行のプロセス、結果まで責任を持ち、ほかのメンバーを巻き込みながら推進していくことが求められます。

具体的には、アクションプランや実行にあたっての課題を出してもらい、それに対してインプットをするということを繰り返しながらプロジェクトを進めています。同時に、成長にフォーカスした1on1も月次で実施し、良かった点とできなかったことの振り返りをベースに、少しでも変化が感じられた点があれば実例とともにフィードバックするということを意識しています。

こうして経験を積みながら、採用や研修業務に留まらず、制度設計や文化醸成といった組織づくりや情報発信、ゆくゆくはグループ会社の戦略的人事パートナーとしての業務にも携わる人財へと成長していただきたいと思っています。

人財開発部長の秋元

今後のチャレンジは「人を育成できる仕組み」の実装

本当の意味で技術者の裾野を広げていくためには、やはり微経験や未経験の方を採用することが重要です。営業職をやっている方、塾の先生をやっている方など、全く異なるキャリアを歩んできた方々が当たり前のように技術者の世界に飛び込んでくるような社会を目指しています。

特にグループ会社はそれぞれの領域に特化した素晴らしい専門性を持っているので、キャリアチェンジしてそういった会社に就職することで手に職がつき、収入も安定して上がっていくという姿を実現したいと考えていますが、やはり受け入れ側の体制を鑑みると経験のない方ばかりを採用することは難しいのが現状です。

そこで我々が大切だと考えているのが、冒頭でも触れた「人を育成できる仕組み」をグループ会社に実装していくことです。中小企業の場合、新しい人が入社することが数年に一度の頻度でしかなく、いわゆる「背中を見て学べ」型の育成方針で、研修の制度が整えられていないケースも少なくありません。しかし、未経験の方が入社したときに、そのような体制のなかで仕事についていくことは容易ではありません。ですから、育成の仕組みを整えていくこと、また、その手前で人財育成に本気で取り組むことの重要性をグループ会社のみなさんにご理解いただき、カルチャーを意識的に根付かせていくという組織開発の面にも取り組んでいきたいと思っています。

研修の内容についてもテンプレート的なプログラムをつくって回していくということではなく、組織の考え方や文化も含めてポジティブな変容を促せるよう、「人が育つ仕組みをつくること」と「人を採用すること」をワンセットにしてグループ会社と共に取り組んでいくことが今後のチャレンジです。

すでに始めている取り組みもあります。たとえば、テクノ・スタッフという会社はプラント設備の検査を専門とする会社で幅広い知識が求められるため、座学の研修はもともと豊富にあったのですが、実習をする場がないことが課題でした。そこで、現在は当社の持つ技術センターの中に、廃材を活用した仮想プラントをつくり、実技の研修ができる環境を整えています。

技術系の中小企業においては人財採用や育成の課題が大きな割合を占めており、これらが改善することはほぼ事業成長に直結するので、人財開発部がこれまでに述べてきたような課題の解決ができる組織になることで、強いグループ経営に寄与できると考えています。

実際の研修企画資料の一部

日本のインフラを支える人を増やす素地をつくる

日本全体のインフラを支える人財の不足という危機に立ち向かうためには、ここまでで再三申し上げてきたように、技術者の裾野を広げることが不可欠です。

そのためには、人が育つ仕組みづくりと並行して、メンテナンスや工事といった仕事に対するポジティブなイメージの醸成も行っていかなければなりません。すでに記者会見なども行っていますが、今後さらにPRにも力を入れ、求職者の方々にインフラを支える技術者としてのキャリアを選択肢として持ってもらい、多くの方にこの世界に飛び込んでいただけるような素地をつくっていきたいと考えています。

私自身は、こういった様々な取り組みを組織としてできることに面白さを感じています。メンバーがこれまでにできなかったことができるようになったり、今後挑戦したいことを語ってくれたりすることはとても嬉しいですし、人財開発部での仕事がメンバー自身のキャリアにつながるような環境をこれからもつくっていきたいと思います。

最後に

マイスターエンジニアリングの人財開発部は、強いオーナーシップを持ち、自分発信で物事を動かしていく姿勢が求められます。自ら課題を発見し、その解決のために常に自分を中心において、同僚や上司、ときには社長をも課題を解くためのパートナーとして巻き込んでプロジェクトを推進していただける方、そして採用業務から幅を広げてHRビジネスパートナーとしてのキャリアを歩みたい方にはぴったりの職場ですので、ご興味をお持ちいただけた方はぜひご入社を検討いただけますと幸いです。

マイスターエンジニアリングの人財開発部について、もっと詳しく知りたい方は以下のサイトもご覧ください。


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