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なんだかわからないけど忙しい状態を数式にしてみる👻

ビジネスにおける「リソース」は本来ヒト・モノ・カネと言われますが、現場では「人手」を指す事が多いのではないでしょうか。ここでは「採用しているはずなのに人手が足りない現象」について考えてみます。


「必要なリソース」を数式にしてみる

まず、会社は常に新たな取組を始めるとします。それらは時間の経過とともにどんどん増えていくので、経過時間Tに比例して数が増えていくと仮定した場合の施策数Nは、

N = aT (aは比例定数)

となります。次に、ある施策の導入に必要な平均リソースをRとすれば、施策の導入にかかる総リソースは、

NR

となります。また、ある特定の瞬間に必要なリソースCは、

C = dNR/dT = aR

となります。

また、施策は導入してからが本番。運用も改善もしていかなければなりません。ある特定の瞬間において運用や改善に必要なリソースOは、その時点で存在する施策数Nに比例するので、

O = bN (bは比例定数)

となります。つまり、ある特定の瞬間において新しい施策の導入、運用、改善に必要なリソースは、

C + O = aR + bN = aR + abT

となります。そして、ある時刻までに必要なリソースは、上記を経過時間Tで積分し、

aRT + abT^2 (T^2 はTの2乗)

となりました。

必要なリソースは経過時間の2乗に依存

リソースの総量が経過時間Tに比例するのではなく、Tの2乗に依存しています。つまり、常に新しい取組を試みる組織ではリソース不足に陥るのは当然なのです。問題はそのあと。「リソースが足りないから増員しよう!」「みんなで協力して役割分担しよう!」では解決できないのに、なんとなく解決した気になってしまいがちです。

リソース不足を解決するには

上述の通り、常に新しい取組を始める組織では、リソース不足に陥いる可能性が高いです。指数関数的な増員ができれば問題ないですが、それは多くの企業にとって非現実的な解決案です。では、増員以外の方法でリソース不足を解決するにはどうすれば良いのでしょうか。一つの手段として、前提条件を覆す事で生まれる可能性を模索してみます。

前提条件を振り返る

・会社の施策は時間経過に比例して増える
・全ての施策は改善する必要がある
・比例定数aとbは無視できない値である
・メンバーの作業量は一定である
・メンバーの成果物の量は一定である

私が思いついたのはこれくらいですが他にもたくさんあると思います。ここはチームによって議論の余地があるところです。

前提条件を覆す

・工数に対して成果が微妙な施策は辞める
・既存の施策と連動させる(比例定数aとbを最小化する)
・作業の一部をシステムやツールで代替する
・メンバーに知識やスキルの習得を促す
・組織変更などでリソースを再分配する
・前提になる規程やルールを変更する

当たり前の話に思えるかもしれませんが、現状維持のバイアスは根強いものです。リソース不足の問題を乗り越えるには、関係者で改めてこうした議論をする必要があるのです。

成長企業には断捨離が必要

企業はある一定の規模になると伸び悩むことが多いですが、そういう会社ではよく「最近、会社が大きくなって色々と面倒臭くなってさー」という愚痴が出てきます。「色々な面倒」の舞台裏ではこうした現象が起きているのではないでしょうか。

企業が成長し続けるには新しい挑戦や変化が必要です。そして、新しい挑戦を続けるには断捨離が必要という事がわかったはずです。もしあなたの周りで余裕のなさそうな方がいたら、こんなことが起きているのかもしれません。それでは。

aRT + abT^2

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