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【取材記事】理念は「誰もが夢を持ち、オンリーワンを生きる世界を創る」こと。オーダースーツのフランチャイズ展開を通じ、自分で選ぶ強さを伝える。

A-StarOne International株式会社は、世界が認めたオーダースーツ事業、日本初のラグジュアリーオーダーシューズD2Cブランドを全国130ヶ所で展開するベンチャー企業です。学生起業からスタートし、本場ヨーロッパでの経験を積んだ代表を筆頭に、独自のブランド経営戦略で躍進を遂げています。本場フランスでは2つの勲章を最年少授章し、メーカー売上日本一達成など偉業を達成。国内外施設や行政への支援及び、寄付といった社会貢献活動も行っています。今回は、Noahのフランチャイズ展開のお話と起業のストーリー、今後の展望について代表の坂本様に代表の小林がお話を伺いしました。

お話を伺った方

坂本大地(さかもと だいち)様
A-StarOne International株式会社 代表取締役
一般社団法人 全日本オーダースーツ協会 代表理事。
1995年9月6日生まれ 茨城県神栖市出身 肉親や友人を事故で亡くし、自身の怪我によって夢を絶たれるなど 10代での原体験から得た『死生観』を軸に事業を行う。
周囲に恩返しすることを目標にキャリーケース1つで上京し、大学2年在学時20歳で学生起業。全国のメーカーをヒッチハイクで訪問した後に、東南アジアから本場ヨーロッパまで各地を回り、
本場ロンドン・サヴィルロウでも経験を積む。19年にはフランスにて社会奨励勲章officierを含む2つの勲章を最年少授章。メーカー売上日本一達成 、開業数日本一、各メディア出演といった業界実績を引き下げ、多くのアスリートや著名人も愛用するブランドを運営する。
企業の社会的な役割にも重きを置き、「社会への還元を通して夢を繋ぐ」を目指して 国内外施設や行政への支援及び、寄付といった社会貢献活動にも従事している。

インタビュアー

小林慎和(こばやし のりたか)
株式会社bajji 代表取締役CEO
 
ビジネス・ブレークスルー大学 教授 大阪大学大学院卒。野村総合研究所で9年間経営コンサルタントとして従事、その間に海外進出支援を数多く経験。2011年グリー株式会社に入社。
同社にて2年間、海外展開やM&Aを担当。海外拠点の立ち上げに関わり、シンガポールへの赴任も経験。その後、シンガポールにて起業。以来国内外で複数の企業を創業しイグジットも2回経験。株式会社bajjiを2019年に創業し現在に至る。Google play ベストオブ2020大賞受賞。
著書に『人類2.0アフターコロナの生き方』など。


悲しい体験をしたからこそ起業を目指す。成人式でオーダースーツをつくった「体験」がトリガーとなり、スピード起業に至る。

小林:今回のサービスの立ち上げ経緯を教えて下さい。

坂本さん:私は茨城県生まれで、のどかな土地に育ちました。中学の時に父や同級生を亡くし、母は病気を持っていたので働けず、経済的にとても苦しい状況になりました。その後、自力で人生を切り拓くために、東京に上京しました。起業という形で自立を目指すものの、実際何をしたらいいのかと模索する日々を送ります。
オーダースーツ事業を立ち上げるきっかけになったのは、大学の入学式の時に、お金がなかったため、友人に借りたサイズの合わないスーツを着て式に出たことです。さらに大学2年の時、成人式のスーツを買いたいと思っていたところ、叔父がオーダーのスーツをプレゼントしてくれたことも重なりました。
自分の体を採寸してもらい、生地を選び、出来上がるまでの1ヶ月間を楽しみに待つ。そして出来上がったスーツに袖を通した時の感覚。その「体験」がやりたいことを探していた自分の感覚にしっくりきて、この「体験」を届ける側になりたいと思ったんです。

オーダースーツをつくったのが夏前。出来上がってからすぐに夏休みがありました。そこで、私は東京用賀、高速道路名古屋方面に立ち、そこからヒッチハイクで全国のメーカー、工場を回りました。車に乗せてくれた方の中には経営者の方や、工場を知っている方がおられて、場所を教えていただきながら行先を決めて周りました。

そこから、販売まではできるようになったのですが、オーダースーツの専門知識がなかったため、よい製品を作ることができませんでした。日本では、修行ができるような専門の方を見つけられなかったので、そこから専門知識を求めてヨーロッパに向かいます。
今から3年程前まで、ヨーロッパ、フランス、イギリス、イタリアと、日本の大学との行き来し、専門知識も深まったところで、自社の確立が出来ました。

坂本さん:次に思い立ったことは、この事業を通して自分のように成長してくれる人が出て欲しいということでした。そして、今回プレスリリースで発表させて頂いたように、フランチャイズで月額契約で挑戦できる形をつくりました。

小林:ヒッチハイク移動での工場リストはどうやって調べたのですか?

坂本さん:初めはインターネットで調べました。次第に業界の横のつながりがありますので、一つの工場に行くと、生地屋を紹介してくれ、生地屋に行くと他の工場を紹介してくれるなど、自然とつながりが生まれ、そこから次々とまわりました。
電話で前もってアポイントを取ろうとすると、取り合ってもらえないこともありましたが、直接伺って東京からヒッチハイクで来たと伝えると、話をしていただけましたね。

小林:そうやって良いスーツを作るのに必要な生地や工場を揃えられたということなのですね。


コロナの影響も大きかったオーダースーツ業界。フランチャイズは業界を救うためと、起業に挑戦したい人の力になるため

小林:今回の月額2万円というのは、フランチャイズオーナーが支払う金額ですね。BtoBサブスクのようですね。売値はどのように決めるのですか?

坂本さん:スーツの売値はフランチャイズオーナーが自由に決めることができます。原価金額は提示しているので、そこからそれぞれのオーナーが売値を決めています。フランチャイズと言いましても、同じ名前を使わなくていいので、それぞれの店舗のオリジナルブランドができます。
小林:採寸をもらった後の製造のところはフランチャイズ、ブランドは個別なんですね。
ヨーロッパ、フランス、イギリス、イタリアなど、スーツはちがうものなのですか?

坂本さん:それぞれで文化が違いますね。イギリスはスーツ発祥の地で、紳士的なイメージです。イタリアはアルマーニのようなカッコよくてオシャレなイメージです。パーティーに着ていくような、ドレッシーなスーツですね。フランスはルイヴィトンなどのハイブランドが多く、各ブランドの長い歴史の中でスーツの歴史も長い国ですね。

小林:坂本さんのところでオーダーすると、どのような注文の仕方になるのですか?

坂本さん:例えばイタリア系のオシャレなスーツをイメージして来られるお客様でも、その方に似合うタイプがありますので、一人ひとりの方のシルエットに合わせて作らせて頂きます。生地タイプはイギリス系、イタリア系など選ぶことができますね。

小林:今回フランチャイズ展開のニュースだったのですが、それ以前坂本さんはどれくらいの期間、オーダーを受けていたのですか?

坂本さん:5年程ですね。今も数は少なめに抑えていますが、オーダーを受けています。

小林:採寸はやはり人の手が必要なので、フランチャイズにしようと考えたのですか?

坂本さん:いえ。フランチャイズにしようと思ったきっかけは、私の過去の経験のように、知識がない中、試行錯誤で大変な思いをし起業するのではなく、未経験でも始められ、知識を学べる場と、スーツを作る生地と工場、ネットワークが揃った環境を提供したいと思ったことが大きいです。
直営店ですとデメリットもあります。人材育成や店舗の開店資金などの課題が多く、直営店で店長候補を育てるよりも、フランチャイズで初めから意識の高い人を一人前に育てる方がスピードも早いんです。

オーダースーツ業界もコロナの影響を受け、落ち込みました。これを持ち直すにも、スピード感が必要で、一人ひとりの底力が必要と感じていたこともあります。

小林:どういった方がフランチャイズオーナーの申し込みをされるのですか?

坂本さん:コストをあまりかけず、初めての起業に挑戦してみたいという学生さん、副業から始めてみたい会社員の方などですね。弊社のフランチャイズは必ずしも店舗を構えなくてもよいので、マンションの一室や、シェアオフィスなどを必要な時だけ借りてもいいのです。主に来店型の採寸をしていますが、出張専門の方もいらっしゃいます。
もう一つのタイプとして最近多いのは、企業の新しい事業として取り入れていただくパターンです。

小林:フランチャイズオーナーが採寸をして、データを御社に渡す形ですか?

坂本さん:そうですね。採寸データを頂き、裁縫を発注します。

小林:採寸は難しい部分があるのですか?また、生地の指定やデザイン、コンセプトなどのやりとりはどのようにしていくのですか?

坂本さん:採寸は、測ること自体は難しくはありません。経験で磨かれていくので経験を積むことが大事ですね。それよりも、その方の体型に合わせて、どこを絞るのか、ゆとりをもたせるのかの技術の方が難しいですね。
ポケットの形なども含めてパターンがいくつかあり、それをお客様と一緒に決めていく手順です。

小林:そのあたりも、フランチャイズ化された部分で、効率的にプロセスが進むのですね。

目標は、オーダーメイドを広め、自分らしく自分の選択をする人が増えること。オーダーで「廃棄ゼロ」を実現し、SDGsにも貢献。

小林:SDGsの観点からいうと、アパレル業界で大きく問題になっている「廃棄」部分がオーダーメイドなので、「廃棄ゼロ」ということですね。

坂本さん:アパレル業界は、食料品の次に廃棄が多く、大きな課題になっています。オーダーメイドであれば必要な分だけ、良いものを長く使うという考え方は意識している部分です。もう一つのニーズとして、「スーツ」というと男性のイメージがありますが、ジェンダーギャップのある方がスーツを購入しようとすると、ご自身のイメージやサイズ感にしっくりこないので、自分が同じ立場の方に向けたブランドをつくりたい、というニーズも多く頂きます。
この2つの項目については、弊社の会議でもたびたび議題に上がることですね。

小林:今後の展開や目標はどのように考えているのですか?

坂本さん:会社の目標としては、フランチャイズオーナーさんが増えていくことです。オーナーさんが増えていけば必然的にこのオーダーメイドの業界も盛り上がっていくと思っています。
私自身としては、この事業を始めたきっかけになった、うれしくて、ワクワクする「体験」を広めたいと思っています。スーツを多くの人に着ていただけたら、なお良いのですが。私の場合は、スーツを通してうれしくてワクワクする気持ちを体験しましたが、特にスーツにこだわらなくてもいいと思っています。
私の一番の想いはオーダーメイドで感じた、ワクワクする「体験」を届けたいんです。採寸をしてもらい、生地やポケットの形を選び、自分のための世界に一つだけのスーツを着る。その体験の中で気付くことも多くあると思っています。

弊社の理念も、商品に焦点を当てているのではなく、「誰もが夢を持ち、オンリーワンを生きる世界を創る」としています。唯一無二の世界を創りたいと思っています。ひとは皆、自分が主役です。私自身も親や友人の不幸、貧困を体験しながら乗り越えてきました。世の中からすると、自分は小さな存在かもしれませんが、親からすれば、たった一人の唯一無二の息子です。代わりなどいません。それをきちんと受け止めて、自分自身の人生をどう生きるかを選んできました。

自分の人生の主役は自分なのだと気付き、選択をしていく。そんな人を増やしたいと思っています。これは起業した時から叶えたいと思っていた考え方でした。
オーダーメイドを広めることで「体験」をする人が増え、自分らしく、自分の選択をする人が増えてくれたらいいと思っています。

それを現実的に考えると、数字に落とし込むことになります。今全国に135加盟店がありますが、各都道府県で10店舗はないと知っていただけないので、全国500加盟店まで増やしていきたいところです。

もう一つ、これから経済成長をしていく国に、弊社のオーダースーツを浸透させていきたいと思っています。

小林:夏用のスーツもあるのですか?

坂本さん:ありますよ。夏物とは言っても長袖なので暑いですから、昔は生地は薄いとか、麻素材を混ぜて通気性がいい生地などが夏用だったのですが、今は生地メーカーさんも工夫していて、冷感素材で肌ざわりが冷たい生地が出ています。


「オーダースーツ」も「笑顔の白い歯」も、身だしなみ感覚。

Noah ホワイトニング

小林:自分らしく生きるという観点で、スーツ以外にも取り組んでいることがあるのですか?

坂本さん:はい。歯のホワイトニングサロンです。オーダーメイド事業からはかけ離れているように見えますよね。ただオーダースーツを作るお客様のイメージだと、富裕層・エグゼクティブ層を想像されると思うのですが、全国135加盟店のお客様を見ていると、「清潔感」「身だしなみ」などを気にされている方が多く、第一印象を良くしたいというニーズがあります。

見た目の話ですと、最近は男性でもフェイシャルエステ、ホワイトニング、脱毛などを積極的にされている方が増えています。弊社のお客様でも、エステなどに通われている男性も多くいらっしゃるので、フランチャイズオーナーさんの店舗にも、ホワイトニングの機材を置いて、スーツと一緒に施術できるようにしています。

小林:笑顔になり、歯が白いと、とても印象が良いですもんね。
オーダースーツのお客様層のニーズに答える商材は多くありそうですね。
今後、加盟店が増えていくたび、「自分らしく生きる人」が増えていくといいですね。
本日は感動するお話をお伺いできました。ありがとうございました。

Noah ホワイトニングサロン

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