見出し画像

日銀会合、今後の賃金・物価動向の予測に注目したい

今日の記事:石橋をたたく植田日銀 春闘後の6月会合、豹変あるか-日本経済新聞

昨年以降、日銀による金融政策の修正が話題になった。
世界的なインフレに伴い各国中銀が利上げするなか、日銀は金融緩和を維持。

歴史的な円安。海外ファンドの国債空売り。イールドカーブの歪み。金融緩和の負の面がクローズアップされた。
日銀が発行済み国債の半分以上を保有するという異常も話題となった。

そこに大規模緩和を推し進めてきた黒田前総裁の任期満了も重なり、政策修正への期待は強まった。3月に米シリコンバレーバンクが破綻するまで、株式市場では銀行株が相対的に強かったのを覚えている。

しかし、今年4月に就任した植田総裁は金融緩和維持の姿勢を貫いている。
金融引き締めが後手に回ることよりも、政策修正を急ぎインフレ目標達成の芽を摘んでしまうリスクを警戒しているようだ。

実際、「賃金上昇を伴う形」での持続的な2%の物価安定目標の達成は、まだ見通せそうにない。
2023年の春闘で賃上げ率が30年ぶりの高水準となったものの、4月速報の実質賃金は前年同月比3.0%減だった。

そんななか物価上昇は続いており、4月の消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)は前年同月比3.4%の上昇だった。

現在の物価上昇は原材料価格の上昇による「コストプッシュ型」であるというのが、日銀の見立てだ。

これが「ディマンドプル型」のインフレに変化していくのか?
昨年の黒田総裁の記者会見でも話題になった、「賃金・物価が上がらないというノルム」が転換するかが鍵になるように思う。

日本のゼロインフレのノルムに対して、植田総裁の見立てに変化はないか。15〜16日に開催される金融政策決定会合に注目したい。

#日経COMEMO #NIKKEI


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?