研究)「潜在看護師の復職支援」 6.看護師のキャリアインタビュー 目的、手段

6.看護師のキャリアインタビュー
​6-1.目的

現在、潜在看護師の復職支援策としては、ハローワークやナースバンク等に求人を出すなどの
「情報提供」、昼間のパート勤務のみで働くことができるなどの「多様な勤務形態の導入」、
病院や自治体が主催する、医療の知識の復習や採血の実践等の「研修」などがある。(17)


条件が合えば復職したいという潜在看護師は70.1%も存在し、復職対策が方々で行われていながらも、
効果が出ているとは言いがたい。

そこで、「潜在看護師の復職を促進するための手がかりを知ること」、
「看護師から見た、現在ある復職支援策に対する印象を知ること」、「
復職に至る経緯から、潜在看護師を復職に導く“鍵”を明らかにすること」を目的に、
復職に成功した看護師の声を追った。

​6-2.手法

医療現場を離れていた経験がありながら、現在は看護師として働いている方8名に、
インタビュー調査の依頼をし(インタビュー依頼書:付録10-2)、調査を行った。

対象者の基礎データは(表)に示すとおりである。1人あたり約1時間の半構造化インタビューを実施し、
会話は対象者の許可を得て、ICレコーダーを用いて録音した。
実施期間は、2014年7月下旬から11月中旬の間で、個別に都合の良い日時・場所にて調査を行った。

また、6名はインタビュー実施日以前に、インタビューを円滑に進める目的で、
「これまでの看護師人生シート」(付録10-3)を配布し、記入していただくよう依頼した。

2名は、事前に渡すことが難しかったため、調査の始めに記入していただいた。

調査では、まず始めにインタビュー依頼書内容の確認をし、録音、分析の上、論文に掲載する可能性があることへの許可をいただいた。

その後、「これまでの看護師人生シート」を基に、これまでの看護師人生を説明していただき、
それに付随して「そもそも看護師を目指した理由」、「離職理由」(複数回ある場合はそれぞれについて)、
「復職理由」(複数回ある場合はそれぞれについて)、「復職時の不安、悩み」、「職探し方法」、
「復職時に重視したこと」、「今後の働き方」について伺った。インタビュー対象者の概要は以下の通りである。(表14)

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(表14:インタビュー対象者の基本情報)


(17)第171回通常国会 衆議院本会議(2009):保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案.

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