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どうしても気になる人

職場にそういう人がいた。
正確に言えば、その人は今もいる。

理由はいろいろある。
一言で言うなら、自分の好き嫌いや感情が、仕事を通してそのまま出る。

怒鳴る、責める、物に当たる、甘える、体調不良…というパターン。

一緒に仕事をしているだけに、猛烈なストレスだった。

ときには、あれこれ仕事を振ってくるのを、負担が大きすぎるとか、これはお願いしたいとか、訴えてみては、一時的に変化があったり、なかったり…

人って変わらない。
人は自分の意思じゃない限り、変えられたくないものだから、仕方ないけど…

誰かに相談しても、そのときはスッキリする。
でも、どうしても気になる。

どうにかならないか…と悶々とする日々だった。

あるとき、気づいた。
ずっと気にしているのは私で、そのことで頭がいっぱいなのも私だし、振り回されているのも、上手く切り替えできないのも、全部私だ。

どうしても気になる人を、どうしても気になる人、それは私。

そして、思った。
その人を変えることはできないし、それは私がすることでもない。
私はただその人が気にならなくなりたい。
好きになる必要もないし、嫌だな〜と思っていてもいい。
とにかく、その人の言動、特に感情にいちいち反応したくない、軽やかに華麗にスルーしたい。

そう思ってから、一年くらい経つ。
気にしない練習の成果が出てきて、だいぶ気にならなくなった。
その人は変わっていないのに。
今は、またそのパターンねって、そのパターンを崩さない姿にちょっと笑えるし、感心すらする。

私は私、その人はその人、その線引きが明確になったこと。
そして、言葉は一旦受け取りつつ、感情は一切受け取らない、そう決めたことが大きい。

もちろん、最初は振り回されたし、気持ちの切り替えもできなかったし、何度もくじけそうにもなった。

ただ、気にならなくなったらいいな〜の先にあるものが、とても明るく、とても心地良いものだという確信があった。
それが良かったと思うし、だからこそ日々鍛錬できたのかも。

最近思うけど、あえて困難に立ち向かいたいのか、ただの負けず嫌いなのか、よく分からないけど、どうやら自分を追い込むのが嫌いじゃないみたい。

結局、自分で選んでいるし、何だかんだで楽しんでいたりする。
これも性分だと受け入れることにした。

それにしても、長い修行だった。

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