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正義は呪いをかけやすい

りゅうちぇるさんが亡くなった。

私は泣いた。
姉からLINEで yahooニュース記事が送られてきた時の衝撃は半端なかった。

りゅうちぇるさんのファンを名乗るつもりはないけど、応援していた。

ぺこさんとお子さんと3人での生活を大切にされているんだろうなと感じていた。

自分に嘘をついて一生を過ごしたら、どっかで自分の心が壊れると思う。
本能的に誤魔化すことはできない状況まで追い込まれて、やっと本来の自分はどう生きたいのか、どう生きていくと幸せになるのかを考えられたんじゃなかろうか。

私は世の中にはいろいろな捉え方、考え方があっていいと思っている。

「子どもがいるんだから」
「親なのに」
「結婚したんだから」
「大人しくしてたら叩かれなかった」
「残された家族のことを考えろ」

あげたらキリがないほど、いろいろなコメントで溢れていて
見るのをやめた。

一番ややこしいのは、擁護するふり、正義を確信して傷つけてくる人だと感じている。
正義なんてものは、人によって違うと私は思う。

こんなことを書いている私も、ネットに感情を揺さぶられていて、怒りの感情を焚き付けられている状態。こんなにも簡単に感情を持っていかれる。

でも、今は書きたい。吐き出したい。

りゅうちぇるさんには、私と一緒で自分らしく心身ともに健康で生きる権利がある。

もちろん、お子さんにもある。

だからこそ、りゅうちぇるさんは苦悩しただろうし、おそらく私の想像をはるかに超えた辛さがあっただろうなと思う。

だって、自分のアイデンティティそのものを問い続けてきたわけで、そもそも自分が何者かわからないなんて、常に土台が揺れている状態だから。

りゅうちぇるさんは、まだまだ旅の途中で、新しい家族のあり方を探し始めたばっかりだったと私は思う。

「子どもがかわいそう」とか「親なんだから」っていう言葉は場合によっては呪いにしかならないことがあると思う。親と言われる人たちの人権無視に繋がることがあることを知ってほしい。

私は、スクールカウンセラーをしていて、保護者の相談もよく受ける。

いっつも思う。母親と呼ばれる人たちの必死さ、責任感の強さ、からくる子どもへの過剰な教育やしつけは、きっと世の中の「親」という立場の人への圧力によって生み出されているなあと。

だからこそ、親である前に、一人の人間としての権利や尊厳を取り戻してほしい。

そんなことを思うと、いつも心で泣いてしまう。
こんなにも一生懸命になっているお母さんたち、お父さんたちがなんでこんなに責められて苦しまんとあかんのか。

自分の尊厳を守れる人は、子どもの尊厳を守ることができる。
守り方がわかるから、教えられる。

りゅうちぇるさんはきっと素晴らしい親だったと思う。
お子さんの権利や尊厳を考えただろうな。
苦しみながら、もがきながら、考えてたんやろうな。

泣けてくる。
あまりにも悲しい。

こうやって尊厳を無視するネット社会が広まれば、
自分の尊厳や権利を大事にする方法がわからないまま
よくわからない他人の侵犯に慣れ、自分だけの正義で他人を侵犯し、
尊厳を蔑ろにしていく人が生まれるんだろうなと、思う。

だからこそ、私が出会う人たちを大事にしたい。

自分が正しいと思っていることは、人によっては間違ってることもあるし
優しさはおせっかいにもなるし
配慮が疎外感を生むこともあるし

相手を見て、相手に合わせた方法で関係を持っていきたいと思う。

少し吐き出せて、良かった。

今日からまた、私のかけがえのない人生を歩いていく。

一日一日を大切に。

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