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相合傘

一ヶ月くらい前の話。

「暑くない?入る?」と、待ち合わせしていた女性から日傘の相合傘に誘われた。日傘の相合傘って聞いた事がない。なんなら雨傘の相合傘より照れ臭い。レースのついた傘に男が入るも恥ずかしいし、日傘が必要なくらい暑い気候の中で、異性とわざわざ身体を近づけて歩こうというシチュエーションとか、気恥ずかしいのオンパレードである。

でも僕は入れてもらう事にした。相手の方に暑かろうという思い以外の他意はなかったのかもしれないけど、わざわざこんな体の大きくて暑苦しい男の僕を側に呼び寄せて、同じ影の中を一緒に歩いてくれようとする気持ちが嬉しくてならなかった。あんまり気にかけてないフリをするのに精一杯だったので、これから向かう店の事ばかりに気をかけていたし、進行方向ばかりに目を向けて、あまり隣に目をやる事ができなくて勿体無い事をした。相合傘に入る事で、僕は余計に暑い思いをしたのかもしれないけれど。

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