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スクリーンの下

街の中心部に大きなスクリーンがある。映し出される映画予告や音楽ヒットチャートや星占いを見るともなく見ながら、七年間、通勤した。

ガタゴトと通り過ぎる路面電車の音を聞きながら、いま、この大きなスクリーンに、私の心の内が映し出されたら、それはいったいどんな映像になるのだろうと考えた。そして、それこそが本当にやりたいことなんだろうと知っていながら、その前を通り過ぎた。それでも、というか、だからこそ、つつましく自分と向き合う、いい七年間だったと思う。

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