恋人生誕祭。山奥にある大人の秘密基地で思い出とお手紙を贈った日のこと 後編
【後半の旅のお品書き】
ご飯が焦げるのも醍醐味のうち
温泉につかり、お風呂上がりに冷たいジュースを飲み、ハンモックにゆらゆらと揺られているうちに、空はみるみると暗くなっていった。やがて星がポツリポツリと顔を出し始め、夜が来た。
部屋でのんびりYouTube鑑賞をしていた恋人ティムも、窓をカラカラと開けて外にやってきた。
「夜ご飯にしようか」
私たちはまず、役割分担をすることにした。2人のチームワークが試される機会。やってやろうじゃないかと胸が高鳴る。彼は焚き火係で、私は炊飯/野菜下ごしらえ係に立候補。何事においても、向いてることを担当するに限る。
焚き火が順調そうだったので、私はマルシェに野菜と飯盒炊飯用の道具を取りに行った。
飯盒炊飯なんて学生時代のキャンプぶりだよ…!!
いい感じに炊けるかしらとドキドキ。マルシェにいたスタッフさんが「ご飯が焦げるのも醍醐味のうち」って言っててそれなぁって思った。
色とりどりのマルシェで誘惑の嵐
マルシェには野菜以外にもスープやラーメン、おつまみがズラリと並んでいた。あちこちからいい匂いが漂っている。誘惑の嵐が巻き起こる。
夜食にラーメンを…と手を伸ばしかけたが、冷凍庫にうどんがあるのを思い出し、やめておいた。
私の心を掴んだのは、あら汁と葉っぱに包まれた炊き込みご飯のようなおにぎりだった。
夜は涼しい風がヒューヒューと吹いていて肌寒かったけど、温かいスープとご飯が体の芯を温めてくれた。
あら汁がたまらなく美味しくて、この後おかわりをしにいった。おかわりしたいくらい美味しいものに出合うって、幸せの瞬間の1つだ。
焚き火料理のカーニバルが今始まる…
冷蔵庫に仕込まれていた木箱達を開ける時が来たようだ。
木箱、いや———宝箱の中にはボリューミーなお肉、ぐるぐるソーセージ、新鮮な海の幸、手作りピザセット、ハーブチキン、アヒージョセットが潜んでいた(歓喜)。
今からこれを全て焚き火にくべる。焚き火料理のカーニバルが今始まろうとしている。
最初に調理したのはボリューミーお肉。ガリガリと胡椒をふりかけ、串刺しにして燃え盛る焚き火にくべた。ご馳走にもほどがある。
焚き火の炎と煙を吸い込んだ肉は普段なかなか食べられない特別な味へと仕上がっていく。
飯盒炊飯みたいに、串刺しの焚き火肉はキャンプに来たからこそ食べられるご馳走なのだ…
続いて、アヒージョ!
熱々のオリーブオイルとにんにくを入れたスキレットに大胆に野菜を盛る。スキレットはやがてぶくぶくと威勢のいい音を立て始めた。
オリーブオイルとニンニクの海に浸かった食材が美味しくならないはずがない。
私が1番楽しみにしていたのは、海の幸だった。
彼は貝が食べられないので、私が全部いただくことに(嬉)代わりに私の分のハーブチキンを食べてもらった。
焼き上がったサザエに醤油をつけて食べると絶品だった。くーっ歯応えが堪んねェ…!!!
スキレットの上で優雅に踊るアワビにバターと醤油を通すとこれもまた堪らなくて
「しあわせーー!!!」
って夜空に向かって叫んだ。
お昼に訪れた竹林レストランのコースもよかったけど、手間暇かけて自分たちで作り上げる焚き火料理もまた負けないくらいによかった。手間暇かけるっていいよな。
温泉の中で考えたこと
夜ご飯の後に、またお風呂にやってきた。
露天風呂の素敵なところは、朝・昼・晩で景色や音がまるでガラリと変わるところだ。
鳥の鳴き声と木漏れ日が差し込む癒しの空間だった温泉空間は、虫の音と夜風が心地よい静かな空間へと姿を変えた。
ペットボトルに入った冷たい水を飲みながら熱いお湯にじっくりと浸かる。
湯船に浸かりながら考えたこと。
これからお互いの誕生日や記念日に新しい旅をするのはどうだろう?
年に数回の特別な日に最高の思い出作りをする。そしたら歳を重ねるごとに思い出が増える。
例えば
「30歳の誕生日は湯河原に行って焚き火のバーベキューをしたよね。火を起こすの大変だったけど楽しかったよね!」
って思い出す度に語り合えるし、思い出す度に幸せを感じられる。
2人の歴史がより濃くなって、仲がもっと深まる。
語れる思い出や経験が増えれば増えるほど、人生は豊かになると思う。
誕生日や記念日って普段やらないことをやるにはうってつけの日だから、そんな日に特別な思い出を作り続けられるように、改めて日常をがんばろって思った!
あと
旅にはいつだって理想のライフスタイルのカケラが転がっているなぁと。
お部屋にある体がぴったりおさまる特大クッション最高だからほしいなぁとか
ハンモックでのんびり空を眺める生活を掴み取りたいなぁとか
山を歩いたり星を見たり焚き火をしたりして自然を満喫できる大人になりたいなぁとか
将来DIYでサウナ空間作れないだろうか?とか
まるでインスピレーションの泉で、色々と野望がわいてくる。私はこの瞬間がとてもスキ。夢を楽しく想像できるのも旅の醍醐味よの…(^0^)
夜食のピザを焼きながら、手紙を渡す
お風呂上がりは、木箱にあったピザをいただくことにした。
ピザのテーマは秋だそうで、キノコが入ってた。食材を生地に盛り、焚き火の下に隠れているピザ窯にそっと入れる。
その間、手紙を渡すことに。
急いで部屋に取りに戻る。
今回、久しぶりに手紙を書いた。
真っ白なポストカードにカラフルな絵の具でケーキを描いて、その裏に想いを綴った。
普段は言えないような照れ臭い言葉をしたためられるのが手紙のいいところだ。
主に1年半の東京生活について書いた。
この瞬間にしか書けない言葉がある。それをちゃんと残しておきたいと思う。
遠距離恋愛が終わっても、手紙交換の伝統は続けていきたい。
マシュマロと焚き火の青春
手紙を無事渡した後はマシュマロを焼いて食べた。大きくてふわふわのマシュマロに美味しそうな焼き目がついていくのを2人で眺めた。
コーヒーが必要なくらい甘くて半分しか食べられなかったけど、焚き火の前でマシュマロを焼きながらお喋りをするのはかなり青春で楽しかった。
その後彼はお風呂へ。
私は冷凍庫にあったうどんをどうしても見過ごすことができず、夜食第二弾を決行。
鍋に水を張り、焚き火の前に置いておくと、温かいうどんが完成した。マシュマロで甘くなった口を出汁が緩和してくれて助かった。
肌寒い夜とアツアツのうどんは相性抜群だった。
夜は推しの子を見ながら眠りについた。
こんなにもおもしろかったのか推しの子…!!
帰って続きのエピソードを観る楽しみができた。
木のポストに届いた朝食
翌朝、外に出て木のポストを開けると朝ごはんが2つ配達されていた。
この設定もすごく好きだった。
どうぶつの森のおうちのポストを開けるようなワクワク感…!!
カラフルでバリエーション豊富な朝食にキュン。
外で朝食を食べるなんてなかなかない。爽やかな風と山の葉が揺れる音を聞きながら静かに食べる朝食は平和で、幸せだった。
おからドーナツがとってもおいしかった。ボックスの朝食に加えてコンソメスープもポットで届いていたのだけど、それもまたおいしかった。
ギリギリまで寝てたい彼は朝食と朝風呂を棄権。
朝ご飯の後は温泉おさめ
チェックアウトまで残り30分になったところで、もう一度ハンモックに寝転がってみることにした。いつか絶対にハンモックがほしい。ハンモックで眠ったり本を読む時間を味わってみたい。
よし、やりたいことリストに追加!
恋人ティムは必ず朝をコーヒーで始める人。アツアツコーヒーを淹れたついでにお裾分けしてくれた。屋外で飲むコーヒーは、2倍おいしかった。
誕生日の数だけ、思い出増やしたい
アウトドア入門な彼のバースデーはこれにて終了!!頂いたバラの花束を握りしめて、最後に2人で写真撮影をした。
THe Base Glamping Yugawaraはパートナー、友達、家族、ソロ、どの組み合わせでも充実した時間を過ごすことができる最高の場所だと思うので絶対記事にしようと決めていた。無事書き終えられて嬉しい(o^^o)
湯河原駅まで30分ほどあったけど、バスに乗らずに歩いて向かうことにした。温泉旅館、豆腐屋さん、魚屋さんが立ち並ぶ穏やかで平和な街並みを歩きながら色んなことを話した。旅先って、ただ歩くだけでも楽しいからすごい。
2人の間に、また1つ新しい思い出が増えた。
ティム、おめでとう。最高の30代にしようね。
誕生日の数だけ、思い出増やしてこう(^0^)
おしまい
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