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liner notes#02|The 3rd Album Repackage ‘Favorite’ - NCT 127

2020年3月に発表した「NCT #127 Neo Zone」以降、約1年6ヶ月ぶりのカムバックとなった、2021年9月17日にリリースされた「NCT 127のThe 3rd Album ‘Sticker’」。発売から1週間でダブルミリオンセラーを達成し、米国ビルボードのメインチャート「ビルボード200」で3位を記録。その「Sticker」のリパッケージとなる「The 3rd Album Repackage ‘Favorite’」を10月25日にリリース。正規アルバムとリパッケージアルバムの合算の累計発売数は11月2日時点で358万942枚のトリプルミリオンセラーを達成する快進撃を見せた。

タイトル曲”Favorite (Vampire)”をはじめ、”Love On The Floor”, “Pilot”の新曲3曲を新たに追加し、正規3集「NCT 127のThe 3rd Album ‘Sticker’」の収録曲11曲と合わせて全14曲が収録されている。新たに追加された3曲は「愛」をテーマにした楽曲だが、「愛」と聞いて一般的に想像するバラードやポップな曲とは一線を画した、”NCT 127の表現する「愛」”を存分に感じられる。正規3集の11曲と合わせて存分に彼らの色が味わえるアルバムだ。

'Story of Favorite'

「熱病のような恋」「ヴァンパイアの愛」をテーマにしており、NCT 127の9人が1人のヴァンパイアのストーリーを描いている。表現力が高い彼らだけに、多彩な表情で機微な感情を絶妙に演じきる。ウェブドラマを見ているような深みのあるプロモーションコンテンツ。(Instagramで公開された#1~86に渡るストーリーについては〈NCT#04|'Story of Favorite' - NCT 127〉で翻訳を載せています。)

'Favorite' Mood Sampler

Album Type

CLASSIC ver.
シックなスーツを纏った硬派なコンセプト。ダークトーンのスーツにレッドとホワイトのアクセントが効き、硬派さとカリスマさが共存した美しいビジュアル。マークとヘチャンのハーフパンツやユウタとドヨンのスリーブレス、テヨンとジェヒョンのレッドのシャツ、メンバー各人の胸のブローチなど、シックでシンプルに見えるが細かいこだわりがメンバーそれぞれの衣装に込められており、これぞイリチルを手がけるビジュアルチームの力量だと感じるImage Teaser。

CATHARSIS ver.
「浄化」を意味する”カタルシス”ver.は夢幻的さ、妖艶さがあり、どこか儚げな雰囲気と朧げな雰囲気が混ざり合った独特な世界観のコンセプト。独特な世界観の中にいる彼らだが、一方で表情は凛として強い眼差しを向けている。まさに”カタルシス”が意味する「無意識的なものの意識化」を体現しているかのようなビジュアルが魅力。

Teaser

Visual Teaserでは、アルバムのビジュアルとなっている「CLASSIC」「CATHARSIS」に「POETIC」「TRAGIC」の2コンセプトを加え、全4パターンを展開。

CLASSIC

CATHARSIS

POETIC

TRAGIC

1. Favorite (Vampire)

“Sticker”でより強く打ち出され、今やイリチルのアイコンとなった中毒性のある「笛の音」のシグネチャーサウンドで始まるキャッチーな楽曲。アップテンポのシンプルなバックサウンドが心臓の鼓動のように聞こえ、笛の音が幻想的、夢幻的に混ざり合う冒頭は独特な雰囲気とドラマチックさを醸し出す。そんなドラマチックな始まりから一気に切り替わり、力強いラップが登場し、豊かなボーカルに切り替わり…曲のテンポは一気にアップテンポに、かと思えば静まり返って転調。コンセプトを一本の軸にしながらも、その軸の上で曲の顔つきがどんどん変わっていくドラマチックな楽曲。音楽というよりも、耳で聞いているだけでも情景が浮かび、ミュージカルや舞台などを見ているような気持ちに誘われる魅力的なイリチルジャンルの曲だ。テンポが早まったり少し落ち着いたりとテンポの移り変わりが魅力的な楽曲だが、テンポを刻むバックサウンドが一貫して心臓の鼓動に聞こえ、”Vampire”というテーマを体現しているよう。曲には、「破局に向かう悲劇的な愛の終わりでも、相手だけが私の全てであり喜びになってくれるという」意味が込められている。ジャンルはR&Bポップダンス曲だが、イリチルだけに彼だからこそ体現できる世界観で独自のジャンルを築き上げていることが明白なタイトル。

ジェヒョンは「愛に対する感情を直接的に表現した曲。NCT 127の色で表現した愛はどんな感じなのか期待して欲しい」と言及しており、ジャニは「感情が一番多く盛り込まれた曲なので、どのように表現されているのか集中して聴いていただきたい」とコメント。マークいわく、「今までお見せしてきた雰囲気とは異なる魅力の曲。特にサビの“愛してる、また愛してる”という部分がストレートで魅力的」だそう。この楽曲のポイントについて、ヘチャンは「口笛の音がこの曲を表現してくれる最も印象深いサウンド」と話し、ジョンウも同様に「口笛が魅力的」とコメント。また、彼は「歌詞とメロディーが感性的」と表現していたが、まさに一言で表すなら「感性的」な楽曲だ。ドヨンいわく「メンバーたちの声からなるサビのハーモニーがポイント」だそうだが、この楽曲に限らず、彼らの楽曲はハーモニーによる曲の深みや厚みが魅力。メインメロディーに対して上ハモ、下ハモ、合いの手など全てが彼らの声で構成された勇壮な仕上がりも彼らの特徴だ。

2. Love On The Floor

テヨンとマークがラップメイキングに参加。愛する人へのときめきをダンスを通じてロマンチックに表現した曲。ときめきや愛をテーマにしつつも、ポップさやラブリーさとはかけ離れたエネルギッシュなビートと強烈なベースラインが引き立つミディアムR&Bダンス曲だ。ラップとボーカルが調和した耳馴染みのよいおしゃれな楽曲で、ラップでクールに力強く表現する部分と伸びやかで感性的なボーカル部分がナチュラルに移り変わるイリチルらしさを体感できる。

3. Pilot

この曲も冒頭は口笛で始まる。笛の音はNCTの世界観で重視される重要な要素だが、特にNCT 127の曲では頻繁に登場し、シグネチャーサウンドとしてアイデンティティを発揮する。ホイッスルループの上にリズミカルなベースとシンセサウンドが調和したミディアムR&Bポップ曲。歌詞には、愛する人のパイロットとなり、共に過ごすすべての瞬間において、いつも旅行している時のような幸せを届けるという意味が込められている。伸びやかで穏やかで優しいボーカルと感覚的なビートの調和が魅力的。

Vampire House

メンバーの仲の良さが一際目立つコンテンツ。特に#2の「뇌파게임(脳波ゲーム)」は幸福指数127%の必見コンテンツ。彼らの言動は常に思いやりや優しさが満ちていて、お互いへの愛情を感じられる。彼らのコンテンツが楽しいのは、なによりも彼ら自身がその場を楽しんでいるからで、完璧なビジュアルからは一見想像できないが、それぞれが人を楽しませるセンスがあり、人を楽しませることをしようとする姿勢があることも理由の一つ。

Behind

制作のビハインドや裏側のエピソードが語られるが、彼らがどのようにコンセプト消化しているのかを捉えられるのがビハインドコンテンツの魅力。レコーディング時に意見を出したり、撮影では表情や写り方を工夫したりなど彼らのアーティストな一面に出会える。今回は「ヴァンパイアの愛の物語」というコンセプトだけに高い消化力が求められたはずだが、彼らなりに表現と向き合い創り上げていく姿が見られるのが見どころ。個人的に印象に残ったのは、レコーディングコンテンツで、マークが「Crown」と歌うパートについて「大人のドラゴンは火が出ないといけないのに、赤ちゃんドラゴンが、ドラゴンはドラゴンなのに火が出なくてまだ赤ちゃんドラゴンのままのような感じ?(意訳)」と例えていた部分。固定観念に囚われない自分らしい消化力の発揮に感動した。

レコーディングのビハインドでは、生歌が音源そのものであり、彼らがいかに歌唱力が高いかも突きつけられる。また、裏メロ、上ハモ、下ハモ、合いの手などだけが聞けるのもレコーディングコンテンツならではだが、こんなにも多彩に表現できるのかと感嘆する。彼らの曲が「カラオケで歌えない」といわれる所以だ。そして、この楽曲に留まらないが、彼らの楽曲はほぼ彼らの声で構成されていることもレコーディングビハインドからよく分かる。9人が1人ずつレコーディングをし、いかに声を重ね合わせて組み上げていくのか。「アーティスト」な彼らと制作陣に痺れるビハインドコンテンツは死守して欲しい。

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2021/11/4(THU)│M COUNTDOWN

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2021/11/6(SAT)│쇼! 음악중심

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2021/11/11(THU)│M COUNTDOWN

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2021MAMA

Media🖋

※画像:公式より

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