№144【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『好みのTシャツ』
ここ数年、服もあまり買わなくてすんでいたのはプロポーションを維持しているから。残念ながら太ったままで、痩せやしない。ついにお出かけ用の服がくたびれて、部屋着ばかりになってしまった。仕方がないのである日、ワタクシ、夏の服を買いに出かけることにした。
いつものお店に行くと涼しそうな、Gパンを発見。続けてあっさりとワタクシ好みのTシャツが見つかった。
「試着いいですか?」
思った通り身体にピタリ。それから似合うかどうか、より太ってみえないかどうかを鏡で最終チェックをしていると、ワタクシ、ものすごく違和感を感じた。
「あれ?」
そこには、試着前と変わらぬワタクシの姿。着替えたはずなのに、全然変わってないんですけど~。それもそのはず、買おうと思ったものと、ワタクシが試着前に着ていたTシャツとGパンがまる被り。
「ひょーっ! ほぼ間違い探しレベルなんですけど~!」
実は着てきたTシャツは、数年前にこのお店で買ったもの。今回購入したものは、ホンのちょっぴり背中のデザインが違うものだった。
それはまるで、サンタさんがサンタの衣装を着たまま、サンタのコスプレの衣装を買いに来ているようなもの。
「お客様~! うちには他の服も、ありますけど~!」
お店の人に、そんな指摘をされる前にさっさと精算して店を後にした。
結局、手に取るのは似たような物ばかり。服を買いに行くときは、お気に入りのものを着ない方がいいと、ワタクシのどうでもいいルールに追加した。
もう、このTシャツがワタクシの制服。
開き直ることにした。
とほほ。
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