№166【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『定価のほぼ9割引きなのに』

ある日の夜、散歩がてら近くのスーパーに買い物に行ったときのこと。

3階のワゴンセールの中に『C字型の首に巻く冷たいヤツ』を見かけた。これは確か今年夏に入ってすぐにダンナが買ってきた商品と同じもの。
「1500円が1000円になっていたから1つ買ってみた」
と妙に買い物上手をアピールしていたのを思い出した。

その商品がなんと330円。ポップに大きく書かれていた。
「ひょーっ！　安い！　買っておこう」
まだまだ暑い日は続きそうだし、出番もあるハズ。

手に取りレジでお会計をすると
「165円で～す」
と言われ、また驚いた。
「え？　330円って書いてあったのにもっと安くなってる～！」
するとレジのお姉さんがボソッとこう言った。
「これ50％引きのタグがついているんですよ。安いですよね～」
結局欲張って合計3つ分の会計を済ませた。
するとレジのお姉さんがさらにこう言った。
「実は下の階にも何か所か置いてあるんですけど、まだ安くなっていないんですよ。買い足すときはここに来てくださいね」
同じお店の中でまさかの価格格差。1500円が165円に。それもこのお店でこの場所だけのお買い得。ここ最近一番いい買い物をしたとホクホクしながら帰宅した。

ところが
「定価のほぼ9割引きだよ」
ワタクシ自慢げにダンナにお買い物上手をアピールした直後、ダンナからは薄っすいリアクションしか返ってこなかった。そしてまさかのセリフを口にした。
「今日みた激安のお店では100円になってたよ」

え？

「もう季節外れになるから、そんなもんなのかもしれないね～」

同じものがたったの100円？　ワタクシ、65円も高い商品を3つ買ってきちゃったよ。うそ～ん。

お得感、驚異の99%オフ。
ワタクシのホクホク感を返せ。
ちぇっ。