№155【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『なんか印象が違うな～』

夏のある日の午後、ワタクシ運転中に気になる雲を見かけた。
「わっ！　写真撮りたーい」
そう思ったのは、家の近所の慣れた道。残念ながら車もゆっくり停められる場所もなく信号待ち。スマホは見えるところにあるけれど、ちっちっち。
「もう出発しなきゃ」
そう思ったところですれ違ったのは、バイクに乗ったおまわりさん。
「ひょーっ！　もし写真を撮っていたらアウトなの？セーフなの？　どっち？」
運転中にスマホは禁止。でも信号待ちのときはどうなのか。きっちりとルールを知らなかったワタクシ、肝を冷やした。

その後、わが家の駐車場に停めて、気になった雲を撮った。

ところが、実際に写真を撮ってみると
「あれ？　なんか印象が違うな～」

車で見たときは山を越したがっている巨人に見えたけれど、さっきヒヤッとしたせいか、今は指をさしてこう言っている巨人の群れに見えてきた。

「あいつ、あいつ。さっきお巡りさんとすれ違ってビビっていた人間。ルールくらい知っとけっつーの」

反論ナ～シ。
家に帰って、ルールを確認した。

でも信号待ちのことは、ワタクシも納得いくようなことがスッキリハッキリとは書かれていなかった。そのうえ無理して写真を撮ったところで、こんな悪口を言われているような写真だったら超がっかり。今後もごちゃごちゃ言わずにやめておくことにした。
すっきり。