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№134【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『前から気になっていることを母に訊いてみた』

ある日、母とお茶を飲みながらおしゃべりしているとき、前から気になっていることを母に訊いてみた。

それは大昔、ワタクシが母の日にプレゼントしたエプロンのこと。

「他の物がいいな~って思わなかった?」
とワタクシが訊くと母が首をちょいとひねった。
あ、そんなことを思わなかったのね、ホッとしながらワタクシ話を続ける。
「ワタクシもね、母の日には『いつもおいしいごはん作ってくれてありがとう』って言ってもらう立場になったけれど、それは純粋に嬉しいよね」
そうそうと母は首を縦に振った。

「でもね『これからもおいしいご飯を作ってね』と言われるたびに、正直全然嬉しくなくて」
母がキョトンとした顔になった。
「だってご飯は誰が作ってもいいじゃない?」
母がニヤリとした。

「今の自分はそんな気持ちなのに、あの頃の自分はお母さんに『はいエプロン! ご飯作ってね』って。最悪なプレゼント渡した、って思うようになったんだけど・・・」

それを訊いた、母が爆笑した。
「それはきっと『女は家事』っていう時代のせいね。そんなこと思ったことなかった!」

よかった、ワタクシの考え過ぎだった、と油断していたら、しれっと母はこう言い出した。

「人が作ってくれたご飯ってすっごくおいしいよね。誰がつくってもいいなら、お昼の支度よろしく」

ひょーっ! 先手を打たれた~! 
ワタクシ話の持って行き方を完全に間違えてしまったらしい。
モヤっとが晴れたらまたモヤっと。
ちぇーっ。






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