№19【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『ヒヤッとしたお話』
歩いて買い物へ行く途中、駐車場を通りかかったら、たまたま目についた車の中。
なぜか、運転席のハンドルを握る右手だけ見える。
「え? 人は乗っているよね?」
気になって、よーく見たけれど、やっぱり右手しか見えない。
異世界やパラレルワールドの動画の見過ぎ?
もしかして、幽霊?それともワタクシ変な別世界に迷い込んだ~?
ひょーっ!
もう一回、失礼は承知で、ありえないほど、よくよく見てみたら・・・
助手席の足元の何かが「取れそうで取れな~い!」と、ハンドルをつかんで一生懸命になっている運転手さんが見えた。
「いた~! 人、いた~!」
メッチャ、ホッとして、目が合う前にその場を立ち去った。
念のため、いつもの道か確かめながら。
暑い暑い夏が始まる6月。
ちょっぴり、ヒヤッとしたお話。
・・・で終わるかと思いきや、続きがあった。
そんなことをすっかり忘れていたその夜、ワタクシ大好きな占いの動画をみていた。この占いのテーマは「これをみたら転機のサイン」
「やたらと続き数字や同じ数字が目についたりする、みたいな分かりやすいサインだといいな」
と、のん気に観ていたら、なんだかこの日は様子がおかしい。
いつもはスッキリ、ストレートに言ってくれる占い師さんが、珍しく答えに困ってこう言った。
「あれ? 妖怪とか幽霊とか出てくるんだけど、どういうこと? あとは、何かを掴んだ手ってメッセージなんだけど、分かる人には分かるのかな?」
うそーん。 うそーん。 ひょーっ!
それ、今日の駐車場での出来事に、マルかぶりなんですけど。
人の姿が見えないハンドルをつかんだ手!幽霊かもと勘違いした手!
ワタクシ、思いっきり見ました~!
どうやらこれが、ワタクシの「転機のサイン」。
転機って、いい方に変わりますよってことだよね? ね?
どうせだったら、もっと、やんわりイイ感じでお知らせしてくれない?
なんか思ったのと全然違うんですけど。
暑い暑い夏が始まる6月。
あまりにも当たる占いに
「もしかして、こんどは幽霊とか妖怪にバッタリ出会うってことはないよね?」
いい歳のおとなが、夜中のトイレをためらうほど、ヒヤッとしたお話。
サポートありがとうございます! 迷わずお菓子を大人買いしますよ?怒りません? ありがとうございま~~~す ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ