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2分で読める子育てエッセイ【子供達が学校に行っているマニマニ】№83『思わず口が滑った』

少しずつ寒くなってきた11月のある日、うちのダンナが腕組みをしてひとりごと。

「ちょっと高いよな~」
嫌な予感しかしない。

どうせまた家のスペースをさらにふさぐ、要らん物を買おうという提案でしょ?
スルーしていると、グイグイと話しかけてきた。

「この値上がりラッシュのせいで、お米屋さんも値上げしててさ~」

お米? いつもワタクシが手配してるけど?

「いつもスズメにあげている割れている米、300円も高くなって困るんだよね」

そっちかーい!

田舎のわが家の周りには野鳥がよく遊びに来る。
近所の方も庭の木にミカンを刺したりして遊びに来てくれるのを楽しみにしていると聞く。

そんな中、ダンナは寒い時期になると「スズメの子育支援」と称して、ちょっぴり餌の提供をしている。

その期間中、毎日顔見知りのスズメがやって来ては、わが家にいろんな話題を提供してくれる。

「今朝は喧嘩していたよ」
「餌がないって怒ってた」
「雛鳥を連れてきた」
などなどダンナは毎日楽しそう。

一番の謎はスズメに「顔見知り」がいる、という点ではあるけれど。

今年もその季節が来たか~と、ダンナにうっかりこう聞いてしまった。
「今年はいつからスズメの子育て支援を始めるの?」

すると、ダンナはメッチャ得意になってこう言った。
「ちっちっち! 11月末から始めるのは子育て支援、でなく越冬支援ね。まずは親鳥が上手く冬を越せないと、スズメがいなくなっちゃうからね~」

あの~。メッチャいい感じで語っているところスミマセン。
スズメの餌やりは、子育て支援、だと思っていたらまさかの越冬支援もあるんですか?

どうりで!
コメコメ、小鳥のエサエサ言っている期間が長いなーと思ったんだよね~。

ダンナの説明によると、越冬支援は寒い時期11月末から3月末。
スズメの子育て支援は春先~5月ごろ。

・・・ということは、1年のうち半年くらいってことなの?

思ったより長期間だと初めて気がついた。

でも、この支援のおかげでわが家の庭の虫が激減。
助かっているのは間違いない。

それにわが家の小鳥、キンカチョウ(錦華鳥)も同じ【鳥綱スズメ目】の仲間、スズメがそばに寄って来てくれたらきっと喜ぶだろうな~。小5の娘も鳥の写真を撮っていい顔するし・・・

と心が揺れた後、ものすごい音とともにガタンと傾いた。

「今月・・・ダンナの飲み物代が浮いた分、協力しようか?」

親バカのうえにキンカバカのワタクシ。
思わず口が滑った。

とほほ。


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