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【へんいちエッセイ講座・参加作品】心がぱぁっと明るくなった

ワタクシ、小・中学校合わせて約5年間バスケット部だった。数あるスポーツの中でいちばん好きなのはもちろんバスケ。高校に進学してもワタクシ、迷わずすぐに入部しようと決めていた。ところが厳しかった中学生時代の練習から一転、高校のゆる~い遊びのような練習にメッチャ戸惑っている。
チームの目標が「○○大会優勝」と「みんなで楽しくがモットー」では練習の仕方が違うなんて知らなかった。「元バスケット部のキャプテン」だった中学校の顧問と「ルールはこれから覚えるね」の高校の顧問では指導の仕方も違うと初めて知った。
「うそ~ん。同じバスケットなのに全然違うんですけど! 部活が全然楽しくな~い!」
バスケットは今でももちろん好きだけど、もうこれ以上、ここで部活を続けるのはムリだと思う。

そもそも、いままで、なぜバスケットにこだわっていたのか。
チームメイトに気を遣うし、背が低くてバスケ向きの身体でもないし、ハッキリとこうなりたいと考えたこともないし。
 
そういえば幼稚園の頃、担任の先生にものすごく褒めてもらったのがきっかけだったような・・・。そうそう、あれは幼稚園の体育の時間、初めて体験したバスケットのシュート。先生のお手本を見よう見まねで投げたボールが
「スパッ!」
いい音をたてて、ゴールに吸い込まれた。その瞬間、担任の先生が大きく手を叩いて褒めてくれた。
「まいまいちゃん! シュートが上手! すごいすごい!」
褒められたことがないワタクシが、しっかりと褒められた最初の記憶。
その後もシュートが決まるたびに先生がメッチャクチャ褒めまくるので、すっかり有頂天のワタクシ。
「そっか、すごいんだ、アタチ」
心がぱぁっと明るくなった。
 
あれから何ごとにもすっかり自信を持ったワタクシ。意地悪してくる女の子に対してもこう思いはじめた。
「どうして、アタチがあの子に負けているの? 同じクラスの子なのに」
しっかりと文句が言い返せる、口の悪い子に。
さらに小学生時代はバスケットだけでなく、スポーツ全般が得意。ライバルは全員男の子という男勝りになった。

幼稚園の先生の褒め言葉はワタクシを大きく変えてくれた。
性格も態度も考え方も口ごたえの仕方も一変した。
「自分はすごい」っていう思い込みは、効果絶大。何にでもなれそう。
ものすごく単純でお世辞を真にうける今の自分、悪くな~い。



※※※ あとがき ※※※

この作品は、先輩noterで元編集者のへんいちさんが主宰される【エッセイ講座・上級】に参加させて頂いたものです。
今回の執筆条件は

テーマ]思い込み
[執筆条件]学生時代の話を、当時の自分になりきって現在形で書くこと


当時の自分になりきって・・・これが難しかった(*ノωノ)
高校時代の自分とは、もうウン十年も会っていませんし、離れていく一方です Σ(・ω・ノ)ノ! 

ふだんは、子育てや身のまわりのことを書いていますが、このエッセイ講座やコンテスト作品は主に過去の話を書いています。楽しんで頂けたら幸いです。


※※※※

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