№121【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『それぞれお好みの』
ある日、お店でトイレットペーパーを選んでいた。ワタクシ、なるべく取り換えの回数を減らしたい派。さらに安いことは必須。一番お得だと思うものを選んでかごにいれようとしたら、ダンナが反対した。
「これ薄いよね。薄すぎるから、ここではちょっと言いにくいトラブルになるんだよね~」
ふーん。
だったらこっち、と2番手を選んだら、またダンナがこう言った。
「これ、お尻に優しくないんだよね~」
つまりダンナのお尻はやわらかくて破れにくいものをご所望?
ワタクシは、できれば安くて交換が少ないものがいいんだけど。
店中のトイレットペーパーを見て回ったけれど、結局、2人が気に入るものがなかった。
「え~! 安くて、やわらかくて、破れにくくて、取り換え回数が少ないもの? こんなわがままをぜーんぶ応えてくれる紙ってある?」
そのときワタクシハッとした。
カミと名のつくものは、いつもみんなから言われたい放題。用事があるときにしか来ないくせに、感謝の気持ちがなさすぎる。これ以上、文句を言うのが申し訳ないので、それぞれお好みのカミサマを買って帰った。
めでたし、めでたし。
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