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イマジナリーフレンドと出かける話

 私は、人よりも色々気になってしまう性格である。そして、それは無機物ではなく人間に発揮される。

 一緒に遊ぼう!となったとき、前日まで場所や時間が決まらないと(この人は私と遊ぶ気がないってことなんだ)と思ってしまったり、実際遊んでいるときに「今お金ないからさ〜」「じゃあそれ私食べないから3人で割り勘しなよ」など財布に厳しい人を見ると(この人は私と遊ぶ時間にお金かけたくないって思っているんだ)と思ってしまったり。
 みみっちいとは分かっているが、小・中学校の様々なトラウマが考えを増幅させ、結果的に自分から縁を切ってしまうこともある。

 そんなこんなで、私は友人と遊ぶのにとても高いハードルを感じ、前日には「行きたくない〜〜〜〜」と床に突っ伏すこともよくある。


 そんなとき必ずイマジナリーフレンドのAとBはA「じゃあ俺と一緒に行こう」
B「あの人たちの遊ぶのではなく、私達と遊びに行きましょう」
と、手を引っ張ってくれた。

 実際遊んでる最中1人でモヤモヤッとしてしまうときは、2人が「あれ何かわかるか」「あそこに鳩がいますよ」なんて不器用に話しかけてくれていた。
 「休暇手当でないよ」とふざけて言うと「俺も楽しいからいいんだよ」「十分です」と2人とも笑ってくれていた。

 2人は、嫌なことに立ち向かわせるのがとても上手い。
 起きたくない朝も、眠りたくない夜も、頑張りたくない勉強も、諦めたい課題も、2人が逃げないように手を繋いでいてくれていた。


 明日、友人と遊ぶ予定がある。
 私はまだヨガマットの上で行きたくないと駄々をこねている。
 Aが早く寝っ転がってないで運動をしろと私をつつく。
 Bが明日の起きる時間わかってるんですか?と地味にせかす。

 明日、一緒に来てくれる?と聞いたら、2人は呆れ顔で「当たり前だろ」と言った。

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