【勘違いかも?】介護休暇は「介護する」ために使う(その2)長期戦での使いどころ
こんにちは。訪問介護サービス提供責任者のスタッフkです。
前回は介護が必要にな平均的な期間と、介護休暇・休業制度について簡単にまとめました。
今回は介護休暇・休業の具体的な使い方について考えたいと思います。
⭐️長期戦での介護休暇・休業の使いどころ(ご提案)
対象家族が1人の場合は、介護休暇は年10日、介護休業は通算93日まで。
介護が必要な期間8〜12年と比べると、「自分で介護しようとすると」全然足りないことが想像できると思います。
なので、介護休暇や休業は「仕組み作り」に使うことをおすすめします。
⭐️例えば介護休暇は、本格的な介護が必要になる前のちょっとした支援にも使えます。
・入退院の手配
・介護サービスの利用手続き など
日常生活はなんとかなりそうだけど、いつもと違う手続き等は難しそう。
サービス事業者と顔を合わせて相談しておきたい。
こんなときに役立ちます。
入退院時には署名が必要な書類も多いのですが、「身体拘束の同意書」の記入を求められるなどよくよく確認したほうがいいものも多いです。
命が危険にさらされた場合の希望など、ご本人だけでなく、ご家族も一緒に考えておいたほうがいいこともあります。
入退院の手続きは、書類の確認・待ち時間・説明・支払いなど予想以上に時間がかかることもあるので、時間に余裕を持って予定を立てておくと安心です。
⭐️介護休業は、通算93日までなので、制度上は一気に使ってもいいし、30日ずつに分けて使ってもいいことになっています。
ですが実際には、出来るだけ少ない日数から取得するようにしたいところです。
介護は基本的には、少しずつかもしれない、でもほぼ確実に、もっと支援が必要になる、からです。
介護休暇と同じように、介護サービスの手配や関係各所との相談にも使えます。
それ以外にも例えば
・急激に状態が変化する時期
・看取り時期
・家族間での認識の擦り合わせや分担の相談
・金銭関係の整理
・任意後見制度等を調べて対応を決めておく など
介護期間が長くなると、急激に悪化する時期が来ることがあります。
退院直後の在宅での生活を整えたり、どこまで自分でできるか見極めるのにはある程度まとまった日数が必要です。
また、余命が残りわずかな状態で「家で死にたい」とご本人が希望され施設や病院から帰宅されることもあります。
そんなときにまとまった休みがあれば、側についていることが出来ます。
⭐️最後の数日の使い方(祖父の看取りを経験して)
祖父が在宅での看取り時期に入ったとき、いとこや親戚が毎日、代わる代わる会いに来てくれました。
介護休暇制度を使ったのかはわかりませんが、仕事を休んで何日もついていてくれた人もいます。
祖父はすでに声は出せない状態でしたが、目をじーっと見つめて、手を握り返したりしていたので嬉しかったんだと思います。
サービス手配やケアの仕組みはすでに出来ていたので、最期の時間を一緒に過ごすことだけに集中することが出来ました。
(私は仕事柄、オムツ交換や口腔ケアだけでなく、徐圧、吸引や点滴終了時の対応なども行いましたが、出来る方がいなくても、ご本人が在宅での看取りを希望されるなら介護保険サービスをうまく使えば何とかなると思います)
亡くなる前の最期の時期に、ゆっくり一緒に過ごせる時間を確保することは、残された側の精神的な安定にもつながります。
忌引だけでなく、最期の時間を一緒に過ごすためにも、介護休暇・休業がもっと広く認知されるといいなと思います。
介護休暇・休業はオムツ交換や入浴介助を行うためではなく「仕組み作り」「手続きや打ち合わせ」「看取り時期に寄り添う」ことに時間を使う。
そうすれば、上記の介護休暇・休業の日数でも対応できると思います。
⭐️可能なら少しは有給を温存する
本格的な支援が必要になる前に
・救急車を呼んだ
・家で転倒して動けなくなった
・鍵や携帯を無くしたから今すぐ探しにきて!と連絡が来る
など、手助けが必要な期間もあります。
このくらいの時期だと、有給を使ったり、急がない用事は休日に対応したり、とスケジュールをやりくりすることになるかも知れません。
でも、できれば有給は「ご自分のために」少しは残しておいていただきたいです。
体調不良で会社を休むこともあるでしょうし、何より、介護期間中は「自分だけのための」リフレッシュする時間が大切だからです。
それに施設に入所した後でも、ご家族は結構呼ばれます。用事があります。
訪問系サービスでも契約以外にも
・尋ねたけど応答がない、安否確認ができない
・倒れているのを発見した(救急要請等は訪問介護士も行えますが、基本的に同乗はできない)
など、ご家族でなければ対応できない場面が多々あります。
対応しなければならない用事が多く、突然用事が増えることもあるので、介護期間中に余裕を持ったスケジュールで過ごすことは難しいかも知れません。
それでも、介護をする側のご家族には、できるかぎり心身ともに健康でいていただきたいです。
可能であれば、少しでも有給を温存し、ご自分のために使っていただければと思います。
⭐️まとめ 介護休暇・休業では「仕組み作り」を
チームケアのための「仕組み作り」をする。
↓
そして実際にチームでケアをやってみる。
↓
状態が変化したり、改善点が見つかれば対応する。
介護はこんな感じの繰り返しです。
どんどん状態が変化します。必要なことも変わります。
その都度、チームケアの仕組みを調整しながら、それぞれのペースでうまく制度も使って少しでも穏やかに過ごせればと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
『神戸|介護事業所の有限会社まいらいふ』
・YouTube「まいらいふ介護チャンネル」
・会社様向け介護離職防止セミナーも開催
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