【ビリヤニマンの南インド留学3】念願のインド上陸!
親切なおじさん!と思いきや...
「Good evening, ladies and gentleman...」
気圧に耳がやられ、かすかに聞こえるアナウンス。窓をのぞくと明かりがきらめく見知らぬ町。
2018年6月11日、ビリヤニマンはインド・タミルナードゥ州に位置するチェンナイ市に降り立ちました。
実はこの時、私の隣の座席には日本人の女の子が座っていました。その子は、私と同時期にインドへの進学を決めたゼミの同期。「2人いれば安心だろう」ということで、私たちは同じ大学へ進学することになったのです。
無機質な空港内で入国手続きを済ませ、到着出口に続く扉を開けると、まとわりつくような蒸し暑さと、何とも言えない異国の香りに包まれます。
日本の大学でお世話になったインド人教授の親戚が迎えに来てくれると聞いていましたが、出迎えの人で混雑しており、どこにも見当たりません。
辺りを見回していると、中年のおじさんが近づいてきて、「荷物を運んであげるよ!」と、親切にも重たいキャリーバッグを持ってくれました。
おじさんと一緒にウロウロすること10分、ようやく親戚の方と合流!
おじさん、荷物を持ってくれてありがとうね。そう伝えようと後ろを振り向くと、「100ルピー」の一言と共に突き出された右手。
空港で換金されたばかりの紙幣を渡すと、おじさんはさっそく次の仕事を探しに、混雑した到着出口へと戻っていきました。
お金の稼ぎ方いろいろ
インドでは、このおじさんのようにチップを収入源として生活している人を多く見かけます。
空港で荷物を運んだり、寺院やビーチで観光客向けに写真を撮ったり、その仕事内容はさまざまです。
私は郊外へ実地調査に行くために電車に乗ることも多かったのですが、電車の通路では手や足に障がいを持つ方が大道芸などのパフォーマンスを行い、チップを請求します。
また、トランスジェンダーの方は聖なる存在とみなされているため、希望する乗客は彼らから短い祝福の言葉をもらい、かわりにチップを渡します。
このように、様々な場所に赴きお金を稼ぐ人もいれば、路上でお金を集める人もいます。
ある日、スラム街へ調査に行く途中で、ある女の子が初老の女性と一緒に道端に座っているのを見かけました。
その子は、私が調査の拠点とするNGOによく遊びに来ており、親しくしていた10歳の女の子でした。
「何をしているの?」と話しかけると、「毎日おばあちゃんとここで靴磨きの仕事を手伝って、お金を稼いでいるんだよ」と答えてくれました。
「学校は行っているの?」「ううん、やめちゃった」
彼女のように、学校に行かず家事や親の仕事を手伝う子どもは、スラム街では少なくありません。
目に映るすべてのことが学び
インドでは、多くの人々がいろいろな手段で、その日暮らしの生活を送っている姿を目にします。
それが良いか悪いか、可哀想か否かはさておき、その多様さに驚いたというのが正直な感想です。
貧しい人とそうでない人、両者が混ざりあって生きているインド。
学びの機会は、大学院の講義室だけではなく、外を歩けば広がっています。
...さて、大学院といえば、ビリヤニマンは無事に入学試験をパスすることができたのでしょうか?
【Today's 表紙Photo】
インドは人だけでなく神様も多い国。
人口の8割が信仰するヒンドゥー教には、シヴァ神やヴィシュヌ神をはじめとして、無数の神様がいます。
人々にとって神様の存在はとても身近。神様の絵を携帯電話の待ち受け画面に設定したり、バスなどの乗り物やブロック塀に描いたりします。
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