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あったらいいな:1日3時間しか働かない国

MYK

平日午前、図書館をうろうろしていた。ドイツ文学、フランス文学・・・と見てまわりイタリア文学のコーナーで、ふとこの本に出会った。

おや? 自己啓発本の類かな? なぜ文学コーナーに?

と思ったら、2005年にイタリアでベストセラー。著者はイタリア映画界の大御所でマルチな才能を発揮している映画監督とのこと。1938年生まれの御大が提示する、あったらいいなこんな国。

日本よりイタリアのほうが平均労働時間は短いように思えるけど、どこに住んでいても考えることは似てるのかなあ。

原題は「キルギシアからの手紙」となっており、語り手から手紙形式で理想郷の様子が知らされてくる。

タイトルの通りこの国では労働時間は3時間。そんな中で、どうやって社会が成り立っているのかを、政治や教育、医療・健康や生活の営み、娯楽などいろんな観点から手紙で教えてくれる。

そして、ふと気づかされる私達の日常。

正社員であれば最低8時間労働の義務、わずかな休日で休まなければ・遊ばなければと焦燥感にかられる休暇、税金を納めているにもかかわらず頼りない政治、睡眠時間もままならないのに維持すべき心身の健康、娯楽こそ溢れかえっているけれど、何かが満たされない。情報過多に憶える疲労感。

このご時世、未知のウイルスによる不安と恐怖の中、「当たり前にできていたこと」に視点がよりがちだけど、待て待て、今だからこそ目指すべき道はどこなのか? もとに戻りたいのか? 

いや、もう戻れないんだよ。前に進むしかないんだよ。

適応していくしかないんだよ。変わっていくしかないんだよ。


じゃあ、どうやって?


3時間労働とはいかないまでも、日常を少しでも素敵に変えるヒントがこの本にはつまっているように思う。自己啓発本にあるような「3時間労働」ではなく、時間の余力・心の余力・身体の余力があればこそ、他人に、周囲に、社会に、そして自分に優しくなれる、そんなことを思い出させてくれた本。

社会のあり方・人間の生活の営み方・心のあり方を提言する本書、ご一読いかがでしょうか。



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