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歴史・人物伝~松陰先生編⑧逸材が学び、育った松下村塾

歴史・人物伝~松陰先生編の第8回です。

野山獄の収監から自宅幽閉となった吉田松陰は、獄中での講義経験を生かして、家族を相手に「孟子」の講義を始めます。これを聞きつけた近所の人も講義に加わるようになったのです。

松陰の評判は徐々に高まっていき、講義を受けたいと希望する若者が増えてきました。そこで、自宅の庭先にあった小屋を改装し、叔父の玉木文之進が創設した「松下村塾」を引き継いだのです。

松陰は、自らの思想である「尊王攘夷」を基本に、儒学、兵学、史学などを講義し、時には塾生同士が議論することも督励しました。また、身分の隔たりなく誰でも入塾できたのも松下村塾の特徴でした。

塾生たちも日々の学びや議論を通して知見を蓄えます。その中から、久坂玄瑞、高杉晋作、吉田稔麿、伊藤博文、入江九一、野村和作、山県有朋ら幕末から明治にかけて活躍した逸材が育ったのです。

松陰自身も20代中頃と若かったので、塾生からすれば「先生」であるとともに「兄貴分」でもありました。松陰の側からしても「弟分」にあたる塾生たちに学ぶことは多かったのではないでしょうか。

次回からは、松下村塾で学んだ「松陰の教え子たち」より、代表的な人物を紹介していきます。併せて、松陰の盟友だった人たちにも触れていきます。

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