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酔いどれ男のさま酔い飲み歩記~第80回「地元松本市で飲む昼酒は美味し」

「一人酒」、それは孤独な酒飲みのように聞こえるだろうが、実はそうでもない。私は一人酒という言葉を酒場で飲み歩く時に使っている。にぎやかな雰囲気に包まれれば、その店に居る人は全員、飲み仲間だ。

withコロナでようやく一人酒が再開した。が、まだまだ心置きなく飲めるようになるまでの道のりは遠い。ならば、体験談エッセイでも書くとするか。酔いどれ男のさま酔い飲み歩記~第80回「地元松本市で飲む昼酒は美味し」である。


はじめに

今回は直近の昼酒飲み歩きを書こう。Withコロナ活動宣言を自ら掲げて1年5カ月になるが、以前のように簡単には飲み歩きができるわけではない。コロナ以外にも様々な事情があるからなのだが、それはプライベートに関わるので説明は省く。

5月のゴールデンウイーク明けに、ようやく昼酒の機会が訪れた。あまり足を伸ばしても往復が面倒なので、居住地から近く、地元とも言える長野県松本市で飲むことにした。コロナ禍前は、ずいぶん一人酒を楽しませてもらった街である。

それじゃあ、ちょっくら出かけてくるか。

松本市「松本ブルワリー」~まずはクラフトビールで乾杯

松本市での一人酒はホテルを取って夜の飲み歩きを堪能するのがパターンで、昼酒をする時はほぼ例外なく友人たちと一緒。松本で昼酒一人飲みをしたことがあったっけ?というくらい久しぶり、もしかすると初めてかもしれないな。

昼酒の口開けにしたのは「松本ブルワリー本町店」で、信毎メディアガーデンの3階にあるビアレストラン。ちなみに信毎というのは信濃毎日新聞の略称だ。

この酒場は自家製造のクラフトビールを飲ませてくれる。店員にライトなビールをお願いしたところ、アルペンラガーを勧められたので一杯頂戴する。このあと、別の酒場で酒と肴を堪能する予定だ。ゆえにミックスナッツでしのいでおこう。

窓際のカウンター席でビールをゴクリ。

この一杯がたまらない。アルペンラガーのライトな味わいもいい。最近はアサヒスーパードライの生ジョッキ缶ばかり飲んでいるので、麦芽100%のズッシリ系ビールがキツくなっている。むろん麦芽100%が美味いということを承知の上ではあるが。

窓の外に見えるのは松本パルコ。そういえば、来年(2025年)2月末で閉店してしまうとか。松本パルコといえば、若かりし時代にオシャレの最先端をいく専門店だった。女性同伴でないと立ち寄れない、冴えない男たちにとっては「聖域」だったなあ。

思い出に浸っていたらビールが空いた。さあ、次へ行くぞ。

松本市「新三よし」~馬刺しはやっぱり飲食店で味わうもの

松本ブルワリーは言ってみれば0次会のようなもの。ここからが本当の昼酒スタートである。お目当ての酒場は馬肉バル「新三よし」。馬肉専門の居酒屋として明治32年創業という老舗。にもかかわらず、昼酒できるのが嬉しい。

何を置いても馬刺しを注文しなければならないが、その前に日本酒。松本市の岩波酒造が醸す「以酒養真」純米酒をいただく。「さけをもってしんをやしなう」と読ませ、酒を飲んで英気を養うという意味合いに一期一会の思いを重ねているとか。深いな。

馬刺しの方は「さくら三種盛り」を頂戴する。赤身、霜降り、タテガミの三種で、さらに他の部位を加えた六種盛りもある。三種盛りにしたのは、はしご酒目的と予算の関係で自重したに過ぎない。

「以酒養真」、甘くて口当たりのいい酒だ。

端麗辛口とは異なる酒。ゆえに馬刺しのような肉系の肴に合う。タテガミの脂身をスッキリ流してくれるのもいい。明治時代創業のせいか、店内にどっしりとした落ち着きを感じる。まさに老舗酒場でしか味わえない雰囲気じゃないか。

いい酒と美味い肴に出会えた。ありがとう。

松本市「信州ゴールデン新館」~大衆酒場はやはり外せない

「新三よし」の隣に、昼からぶっ通し営業をしているという嬉しい酒場「信州ゴールデン新館」がある。長野県内のチェーン居酒屋で、昨年5月の長野市での昼酒でも系列店にお世話になった。もちろん素通りできるはずがないぞ。

カウンター席に陣取り、ホームページ特典「ハイボールかレモンサワー一杯サービス」のスマホ画面を店員の姉さんに見せ、ハイボールを選択。肴はどうしようかなと一瞬迷っていると、姉さんすかさず「追加はこちらで」と。こちらというのはタブレット端末のことだ。

コロナ禍になってからタブレット端末で注文を取る飲食店が増えている。最初は面食らったりもしたが、何回か同じパターンに遭遇すると、まったく苦にならないばかりか、むしろタブレット注文の方が便利だ。もちろん店側もだろうが。

そんなわけで、おまかせ串5本盛りを注文。お通しがキャベツ生かじりだったので、串だけでも十分。しばらくして別の店員が「串5本盛りです」と言って出してきた。これはうまそうだし、辛みそ、ニンニク、練りからしと薬味も多い。

だが、どの串が何なのか分からない。

「店員さんよ、おまかせなのだから串の種類くらい言ってくれよな」とは心の声。皮串だけは見た目で分かるが・・・まあいいや。適当に薬味を付けて食べよう。無料ドリンクだけでは申し訳ないので、追加でボール(焼酎ハイボール)をおかわりした。

場所柄もあって昼はランチ営業もやっている。ざっと見渡したり、注文を聞いたりしていると、ランチと居酒屋使いの客が半々くらいかな。私の2席隣のワイシャツの兄さん。ランチに違いないと思ったら酒を注文している。仕事はいいのかな?

串5本を平らげたので、そろそとお開きとするか。

おまけ~一人カラオケで歌ってみたものの

3軒立て続けに昼飲みをした。以前なら、さらに続けてもう一軒行けたのだが、アルコールへの耐性が衰えてきたのか。インターバルがなければ飲めそうにない。それにはちょうどいいスポットがある。カラオケボックス「まねきねこ」だ。

ここで1時間、一人カラオケをする。アルコールは自重してジンジャーエールを頼む。久々に歌いまくったが、どうにも声が出ない。カラオケから遠ざかっていたせいか、あるいは人とあまりしゃべっていないせいか・・・なんとも締まりがない歌声だ。

たまには一人カラオケで練習しなきゃダメだな。

〇〇〇
今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。なお、このエッセイは2024年5月の忘備録なので、店の情報など現在とは異なる場合があります。


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