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パンにジャムを塗る

「幼さでパンを作って大人びてジャムを塗ろう」 最近聞いたMrs. Green Appleの新曲「Dear」にあったこの歌詞が心に響く。 スペインでの全ての日程を終えた今の僕は、日本に帰った後「帰国子女」、「スペイン帰り」という何とも鼻が伸びてしまいそうな修飾語がつくのを楽しみに帰国までの残りの時間を満喫しているのだけれど、その一方でちょっとした懸念点もある。それはあの決まり文句、「留学で何を得たか」を問われること。この約一年間そんなこと特に意識せずに生活していたので、いざ

    • テレビの奥の世界

      赤と青、縦縞模様のユニフォーム それを着てピッチに立つことが許された特別な11人 そんな彼らが時代を築いた三角形や線運動の数々 そして、一際輝く背番号「10」 これは芸術作品か何かだろうか。 当時、YouTube上のスーパーゴール集やドリブル集などにはあまり興味が無く、 白髪のあいつのファイヤートルネードばかり練習していた僕でさえ、 手元のDSを置いて、テレビの奥の出来事にそう息をのむ日々があった。 おそらく同世代のサッカーに興味を持っていた人達のほとんどは僕と同

      • 反復・継続・丁寧

        先日、仲の良い友人と就活についての話をした。 「挫折経験って自己分析で大事だけどそういうのある?あんまりなさそうだけど。」 「まあね。」 そう答えた僕は別に見栄を張ったとかではなく(いやちょっとは張ったかもしれない)、ただそれが大きすぎて自分でも認識できていなかったのだと電話を切り終え、少し考えた後に気づく。早速、自己分析は失敗。ここに綴った文章をその友人が見ているかはわからないけど、今ならこう答える。 「挫折“経験”」どころか「挫折“人生”」だよと。 少し前にとあ

        • 「すごい」はまだ先の話っていう話。

          「海外留学するなんて成長した。」 「サッカーもちゃんと続けてるのすごい。」 こういった言葉をありがたいことに、ここ最近色んな人からいただく。もちろんとても嬉しいし、それが頑張るためのモチベーションに変わっているのは間違いない。ただそういった言葉をもらった時にどうしても疑問に似た違和感が残ってしまう自分がいたのでここに残しておこうと思う。 貰った言葉に対する返事としては失礼にあたるが 「やりたかったからやっているだけなのに何がすごいのだろう。」と。 「海外の大学に通って

        パンにジャムを塗る

          日本人でいるということ

          情熱の国。スペイン。 この国に留学生として来て約半年が経過し、残りの留学生活も後半に差し掛かった。ここでの経験は日本にいた頃と比べるとはるかに濃く、今までになかった程の思考の質と量を伴うので、個人的な頭の整理も兼ねて、私の思う事についてここに記していこうと思う。  本題だが、日本の大学に通っていた私は大学生のうちに海外への交換留学をしようと決めていた。もちろん行先は今いるスペイン、そしてカタルーニャだ。理由も安直で、小学生の頃に当時のバルセロナのサッカーに惚れたから。ただこ

          日本人でいるということ