見出し画像

グローバル企業で働いて良かったこと

私は20年以上ドイツに本社がある会社のアメリカのオペレーションで働いていました。その会社は世界中にオフィスがあって、アメリカのオフィスでも様々な国の出身者が働いていましたし、私の上司もドイツ人であることがほとんどでした。10年ほどはグローバルのポジションに就いていたこともあり、ドイツを始めいろんな国に出張に行きました。とても良い経験をさせてもらってグローバル企業で働けたことは本当に幸運だったと思っています。

グローバル企業で働いて何が良かったかと言うと、いろんな国から来た人達と働けて友達が各国にできるとか、出張でいろんな国に行けるとかがありますが、本当に良かったことは
(1)自分の“常識“が崩され目から鱗の経験ができた
(2)人はみんな結局は一緒ということが分かった
ことです。

(1)自分の“常識“が崩され目から鱗の経験ができる
私は所謂「純ドメ」で、日本で生まれ育ち留学もしたことがありませんでした。和をもって尊しとなすの国で30年以上過ごした後でアメリカで働き始め、しかもドイツ企業だったのでドイツ人の同僚も多くいました。異文化を学んだ方はご存知だと思いますが、ハイコンテンツ・ハイコンテクスの世界では日本とドイツは真逆です。ドイツ人の同僚から「アメリカ人は物事をハッキリ言わないから、何を言いたいのか分からなくて困る」と聞いたことがあります。日本人からするとダイレクトな物言いをするアメリカ人ですが、ドイツ人はそれを更にパワーアップさせて超ストレートな言い方をすることが多いのです。逆に言うと、ストレートに言った方が意思の疎通がうまくいく場合が多いのです。

ある時他部署のドイツ人同僚とやり取りすることがありました。彼女はあまり愛想の良い人ではなく、話し方も威圧的なことが多くて私にとっては正直苦手な人のカテゴリーに入っていました。かなり昔の話なので詳細は忘れましたが、大切な要件をお願いしていたのに適当な対応をされて思わず頭に血が昇った私は彼女にかなり強い口調で文句を言ったのです。実はあまりにも頭に来て放った英語もメチャクチャだったかもしれません。でも私の剣幕に驚いたのか、彼女はすぐにその案件を処理してくれました。なんだ、言えばやってくれるんじゃん(笑)って思ったのを覚えています。そして学んだことは、ちゃんと言わなきゃ駄目だということ。そして真剣さは伝わるということ。あまり下手に出てばかりだと馬鹿にされて相手にされないことも学びました。一般的なドイツ人にしてみればアジア人の物をはっきり言わない特性は優しさの表れではなく分かりにくさでしかなかったりします。もちろんこれは個人差もあるので、全員が全員そうであるとは言えませんが、ドイツ人の同僚から日本人の丁寧さはToo Much だと言われたこともあります。それに対しては少しモヤっとしましたが(笑)いろんな価値観があるのね、と思ったことを覚えています。

(2)人はみんな結局は一緒
物の見方や価値観は文化的な背景で違うことが多く、日本の常識は世界の非常識な世界なのですが、倫理観的なものは万国共通だと思います。以前の記事に書きましたが、多国籍チームで嫌われ者になってしまった人は万国共通の倫理観に反した行動をしてしまったから嫌われてしまったのだと思います。出身国を問わず、他人に優しくしたり思いやる気持ちは尊ばれますし、人の話をきちんと聞いた上で自分の意見をしっかりと持っている人は尊敬されます。どこの国の人も家族の問題は共通で、年老いていく両親の介護問題、ティーンエイジャーの子供への処し方など、解決の方法は国によって違うかもしれませんが、悩みはどこでも一緒だなって思います。

以前ルーマニアに行った時、地元のお医者さんと知り合いになって、ルーマニアではどの分野の医師が一番収入が良いのかを聞いたことがあります。答えはなんと産婦人科。なぜならばみんな新しく産まれてくる子供のために最善のの医療環境を整えたいとお金を惜しまない傾向があるからだそう。やっぱり妊婦さんや赤ちゃんを大切に思う気持ちはみんな同じなんだなって微笑ましかったです。

最近では日本で働く外国人の数もかなり増えて、いろんな国の文化を学べる環境が身近になってきたのではないでしょうか?異文化に触れることで自分が育ってきた文化の良さを改めて感じることもできるし、グローバル企業で働いて本当に良かったと思っています。

みなさまからいただく「スキ」がものすごく嬉しいので、記事を読んで「いいな」って思っていただけたら、「スキ」や「シェア」をしていただけたらとても嬉しいし励みになります!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?