アメリカでは学歴ロンダリングは当たり前
最近日本の記事を読んでいて度々耳にする言葉は「学歴ロンダリング」。何のことだろうと思ったら学部ではそれなりの大学を出て、大学院で東大などの有名校に行き、最終学歴を学部の大学よりも良くすることらしいです。
学歴ロンダリングはアメリカでは当たり前です。
理由のひとつとしてはアメリカの大学の学費の高さがあると思います。アイビーなどの私立大学に通うと学費だけで6万ドル程度、生活費なども合わせるととんでもない金額になります。奨学金があるでしょって言う人もいますが中流家庭は所得がある程度あるので奨学金がなかなかもらえなかったりするのです。私の友人の息子さんも、とあるアイビー校にSTEM系を専攻に選んで通っているのですが「奨学金とかもらえたりする?」って聞いたら”What scholarships?”という答えが苦笑とともに返ってきました。要するにほとんど奨学金には引っかからないからフルで学費を払っているということです。まあ、彼女の家は夫婦で博士号持ちで、しかも彼女はグーグルの社員なので多分世帯年収が50万ドルを超えていると思うのですが。まあ、そういう人だったら子供をアイビー校に借金せずに通わせられるよねって感じです。それでは高額な学費を賄えない学生はどうするかというと学生ローンを組むのですが、卒業時にかなりの借金を抱えて卒業する学生が非常に多く最近では社会問題にさえなっています。
なので、最もコスパの良い方法は
1️⃣一般課程はコミュニティーカレッジで単位をとる。(コミュニティーカレッジの学費が最も安い)
2️⃣Junior(3年生)に進むだけの単位が取れた時点で、どこかの州立大学に編入する。
3️⃣学部でちゃんと勉強してGPA(Grade Point Average)を高く保っておいて、有名大学院に出願する。
というコースです。
仕事柄何人もの履歴書を見てきましたが、同じ大学で学部と修士をとった人の方が少ないくらいです。LinkedInなどとランダムにチェックするといろんな人の学歴が見れるので、いろいろと見てみるのも面白いかもしれません。学部で州立大学に行って修士をアイビーで取っていても誰も何も言いませんし、学部で州立大学で修士がアイビーの人は学部で成績優秀だったという場合が多いので、雇用する側に「この人真面目に頑張ったな」という印象を与える場合もあります。少なくとも私はそう捉えます。
アメリカと日本との「学歴ロンダリング」の捉え方の違いは、ジョブ型の労働市場でもあり、どこの大学に行ったかよりも何を勉強したかが重視されるアメリカの事情があるかもしれません。仕事をする上で良い学歴は就職が比較的しやすいなどスタート時点では有利に立てる可能性が高いですが、仕事が始まれば仕事でのパフォーマンスで判断されますし、私も長年アメリカで働いていてどこの大学を出たかを聞かれたことは一度もありませんでした。日本でずっと生きていく場合には日本の土壌や文化にあった学歴やキャリアを築く必要があるかもしれませんが、海外で働いていこうとするならば渡航先の国の文化を理解してから学校を選んでいくのもありだと思います。特に最近は優秀な高校生がアメリカの有名校に合格したというニュースがあったり、そういう生徒を対象とした高額な予備校があるようです。アメリカにおいてはプロフェッショナルな職種は修士を終了していることが往々にして求められ、学部でお金を使い果たして肝心の修士にお金が回らない、ということにならないように注意した方が良いと思います。
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