見出し画像

僕が旅する目的 #5『日本庭園で散歩を楽しむ』

旅をする、ということは、非日常を体験することでもあるのだけれど、
僕はどちらかというといつもどおりのことをする、ということが好きだ。
知らない街に行くと、まずは、散歩をしたくなる。
僕は、散歩をする場所の選択肢の一つとして、日本庭園を頭に思い浮かべる。
その街に、気になる日本庭園があれば、行ってみたくなる。
あるいは、行ってみたい日本庭園があれば、その街に行ってみたくなる。

そこで、これまで行ってみた庭園のなかで、おすすめの庭園をいくつか紹介してみたいと思う。
選んだ基準は、広い庭園であること。
広いと散策が楽しいし、人がたくさんいても気にならない。
狭い庭園だと、人が多いと、ゆっくりできなかったりする。
それでは紹介していこう。


1、栗林公園(高松)


香川県高松市にある有名な日本庭園で、
面積は75ヘクタール、6つの池、13の築山があるという。
日本最大の文化財庭園だ。
庭園は、想像以上の広さで、探検心がくすぐられ、ワクワクする庭園だ。
南湖という池の周りを歩いていると、名前の通り、本当に湖のように思えるような広さと美しさに感動する。
この南湖のまわりをのんびりと散歩をするのがおすすめだ。

南湖のまわりを歩くのがいい


偃月橋という美しい橋から眺める南湖とその借景ともなる紫雲山の景色は素晴らしかった。

 偃月橋からの景色


栗林公園の美しいところの一つは、巨大であることとともに、庭園と借景の紫雲山が一体となっていることによって、より自然に近い雰囲気を出しながら、完璧な風景を保っているところではないか、と思う。
偃月橋のバックには飛来峰という築山があって、そこからは偃月橋を含めた景色も楽しめる。

飛来峰からの景色


この土地は古くは香東川という川が流れていたそうで、川の流れを西に移したあとの場所に造られた庭園であるらしい。
現代でも、昔、川だった場所を公園にしたり、ということがあるけれど、これはその原型かもしれないと思った。


2、後楽園(岡山)


後楽園は岡山城のそばにある庭園だ。
園内中央には唯心山という築山があって、頂上から庭園全体を見下ろせる。

唯心山からの景色


唯心山に登ってから、庭園の気になるところに行ってみるというのがおすすめだ。
後楽園の特徴は、茶畑や田んぼなど、畑があることではないかと思う。
確かに、畑や田んぼは癒される風景だ。
それを庭園に自然に取り入れているのは面白い。
お城のそばにあるのでお城も借景となっている。

背後には岡山城


栗林公園は自然と融合している、という感じだけれど、後楽園は、お城や畑があって、どちらかというと町の庭園という感じだ。
庭園にはいくつかの建物があるのだけれど、流店という建物が気になった。

流店はとても興味深い建物


建物の中に小川が流れていて、構造的におもしろい。
歴代藩主もここで休憩していたに違いない。


3、兼六園(金沢)


兼六園もまた言わずと知れた有名庭園だ。
まず、兼六園は、街の中から見ると、かなり高い場所に位置している。
だから、庭園からは、まちの景色を上から眺めることができる。
この立地にまずは驚いた。

庭園からまちを見下ろす


現代で言うところの屋上庭園のようなのだ。
個人的にはこの光景を楽しめることが兼六園の一番好きなところだ。

ちなみに兼六園を歩くと、何かといろいろ由緒のあるものも多い。
まず日本最古という噴水がある。
この噴水は、ポンプは利用せず、もう少し高い場所にある池から引いてきた水を高低差だけを利用して吹き出させているという。

日本最古の噴水


徽軫灯籠も有名だ。
この灯籠は変わったかたちをしていて2本の足で支えられている。
一方が長くて池の水に浸かっており、もう一方は短くて陸に固定されている。

これが兼六園を象徴する風景の一つ


このいでたちが人気なわけだと思うのだが、
もともとは両脚とも同じ長さで池に浸かっていたらしく、なぜ今のようなかたちのかは謎なのだそうだ。

4、水前寺成趣園(熊本)


熊本にある水前寺成趣園もまた、有名な庭園だ。
成趣園の見どころは、富士山を模した築山だろう。
海を模したという池の向こう側にそびえる富士の姿はとても美しい。

美しい富士山を模した築山


また園内には「古今伝授の間」という建物がある。
戦国大名で歌人の細川幽斎が、この建物で親王に「古今和歌集の解説の奥儀」を伝授した建物なのだそうだ。

古今伝授の間を眺める


昔は古今和歌集の解釈を秘伝として師から弟子へと伝授されていた。
その由緒ある建物をここで見物することができる。
古今伝授の間と築山を眺めながらのんびりするのがこの庭園での楽しみの一つだ。


5、番所庭園(和歌山)


番所庭園は和歌山県の雑賀崎というところにある。
番所とは、昔、見張りの人がいた詰所があった場所だそうで、この場所には海を見張るための詰所があったのだそうだ。
その跡地を庭園としたのがここ番所庭園だ。
海の岬のような場所につくられた庭園なので、周りは海に囲まれている。

岬のような場所の庭園


まわりが海に囲まれている


普通の日本庭園とは全く違った壮大な景色の中にある。
そして庭園には常に波の音が聞こえてくる。
とても幻想的で心地の良い場所だ。

以上が僕がこれまでに行ったことのある庭園の中で、印象的だった庭園を挙げてみた。

今回、紹介した庭園は、歩きながら考え事をするもよし、庭園の中で自分が好きな場所を見つけてのんびりするもよし。
普段とは違った感覚になれることは間違いないと思う。
日本庭園は美しさの中に、どこか遊び心や、心を落ち着かせてくれる工夫が施されている気がする。
知らない街に行った時に、散歩をしてみたかったら、日本庭園を探してみるというのはひとつのアイデアかもしれない。

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?