弱くて強いひとになる
大学受験でちょっとした成功体験があってから、もう自分は「弱さ」とは無関係の人間だと勘違いしてしばらく生きていた。未だにそんなこと引きずっててダサいやつだなと思われるかもしれないが、僕にとっては、ずっと憧れていた「強い側」の人間になれた!と思えた、初めての体験だった。もちろん「強さ」は経済的な話でもあるが、ここではもっと実存的なレベルを指していて、世界の主人公でありたいはずの自分と、自分は一介のモブキャラに過ぎないという現実のギャップを克服したような錯覚を覚えた一時期だった(全