#599 転入生が来たりて何か見る
2024.7.4.
題名は…多分元は小説の名前。私が知ってるのはラーメンズのネタ。笑
理科室にいると、いろんな人が遊びに来る。
毎日中休みに「ういーっす」と言いながら訪れる6年男子。失礼しまーすと入ってくるので、失礼でーすと応えるのが日課だ。
給食準備時間に必ず来る2人組がいる。こちらも6年男子。給食当番に当たっている週以外は、メダカのお世話をしに来る。
朝から手を振るためだけにのぞいてくる3年女子。手を振り返すと満足気に去っていく。
算数や英語の教室移動の帰り道になぜか理科室を通っていく5年男子。「勝手に入らないでー」と伝えようとする頃にはもう出ていっている。
私が書いた壁新聞がいつ更新されるかと、毎日下校時にチェックしていく2人組もいる。ごめん、全然更新できてないよ。
そして最近、放課後よく理科室に現れるのが、6年生のAちゃんである。Aちゃんは少し前に来た転入生。というか、毎年この時期だけ日本にいて、日本の学校に通う一時帰国の子だ。Aちゃんは1人で来ることもあれば友達と来ることもある。
最近は、ピペットで熱心にメダカの水槽のゴミ取りをしてくれている。今日も1人で来て、お仕事を始めた。
ちょうど、水槽で飼っていたメダカが産んだ卵をカップに移したところだったので、一緒に顕微鏡で見てみることに。少量の水と卵を小さなジップロックに入れ、生物顕微鏡でピントを合わせる。
これは…まだ1日目くらいかも。ほら、目がうっすら見えてる。こっちは…5日目以降かな。もう心臓も見えるし血液の動きも見える。お、これはもう体に模様みたいなものが見えてるから、そろそろ孵化しそうだね。
説明して顕微鏡を見せる度に「すごい!」「本当だ!」「面白い!」と目を輝かせるAちゃん。
「あっちの学校だと、こんなの全然見られないもんなー!」
Aちゃんはそう言った。
私「普段住んでいるところでは、理科の授業でどんなことするの?」
A「なんか書くだけ。それで終わり。つまんないの。」
私「かく…?毎回観察してそれを描いて終わりってこと?」
私は中学の頃の生物の授業を思い出した。毎回毎回、何か植物などを観察してカードを描く。いつもほぼそれ。私はそれが楽しかったけど。
A「いや、私のところは周りはほぼ砂漠だから、観察できる生き物とか、ほとんどいない。」
私「あー…じゃあ、教科書上で習ってそれをノートとかに書いておわりってこと?」
A「そう。」
私「観察とか実験とかしないの?」
A「やらないね。」
そうなんだ!!!
まあ、設備や地域柄、できないことなんてそれぞれたくさんあるよね。そんな状況にいたら、自分の目で知らない世界が見える顕微鏡とか、動画で人体の仕組みを知ったりとか、本当に楽しいんだろうなあ。
日本の小学校では当たり前の、実験や観察。
なかなかうまくいかなかったり準備が大変だったりと大変なところはあるが、やっぱり子どもたちが実際に見たり触ったりできるって大事よね!
ちなみに、今の一番の壁は…光合成実験である。
この実験、晴れの日が2日間続かないといけないし、3種の検体を作って比べないといけないし(まずその意味が分からない子も多いはず。)、ただヨウ素液につけても反応が見えないからエタノールで脱色しなきゃいけないし…もう難関中の難関。
…ぜんっぜん結果が分からない!笑
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