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#362 エドワード・ゴーリーを巡る旅/手書きと余白について考える

2023.6.11.
5日間くらいダークサイドにいた。家がコロナ漬け、それに合わせて家事するか動画見るか寝るかしかしていなかった。私は陰性だったので職場復帰。イレギュラーが発生して焦っていたらなんと教頭が授業をやってくれるという。勉強にはなったけれど講師としてどうなの私…と落ち込みつつ、他の講師依頼を受け迷い、必要な指導案は送ってもらえない…。はあ、踏んだり蹴ったり。

そんな気持ちで昨日もSNS三昧していたら、夜、インスタで別々の知り合い2人が「エドワード・ゴーリー展行ってきました!」と投稿しているのを発見。

エドワード・ゴーリー展!!!!!

ズルカン@新人ナース応援!さんを尊敬しつつ参考にさせてもらったエドワード・ゴーリーネタ…これはぜひ展示も見に行きたい!

家にある絵本

即、検索。…明日が最終日ではないか!

これはご縁としか言いようがない。ちょうど家族も快方に向かっており、私なぞ外出しようとも困らないだろう。場所は松濤美術館。松濤ってあの渋谷の奥の方の高級な地域?た、楽しみ!



ということで今朝、開館の10時ぴったりを目指して松濤美術館へ。最終日だからね、絶対混む。開館少し前かぴったりくらいであればそんなに待たずに入れるだろう。

お?

おお、思った以上に並んでいるー!

開館2分後くらいに着いたのだが、4重くらいの列が美術館前にできていた。人気だなエドワード・ゴーリー!
待ちながら、客層チェック。松濤という場所だからだろうか、エドワード・ゴーリーだからだろうか、性別年齢問わずおしゃれな人が多い気がする。傘も洋服も、派手な柄モノを着ている人が多い。


結局恐らく15分くらい待って、入場。

展示室もグッズ売り場も、基本写真撮影はNG。なので、数少ない撮影OKだったものを↓

展示室前にて
松濤美術館、造りがおしゃれ!真ん中が吹き抜けで下に噴水。
入り口



中にはたくさんの原画がカテゴリ分けされて展示されていた。幼少期のドローイング、子供に関する作品、演劇(バレエ)と関係する作品…などなど。

小さい頃に描いた絵とか、既に雰囲気が出ていて、でもなんか子供らしい面があって面白かった。
初めの頃は出版社に持って行っても断られていた話とか…。そりゃああの恐ろしい絵で絵本とか言われたら「こんなのだめだよ」と言われそうだなあ…。結局自分で出版社作って出したらしい。すごい。
バレエが大好きでニューヨークシティバレエ団?の公演は全部行っていたらしい。

初めて知ったのだが、ゴーリーが世間で有名になったのはテレビ番組のオープニングを担当したからとのこと。



以下、展示を見て感じたことを2つ。

★手描きの良さ

原画…非常に小さいものが多く、そしてどれもこれも作業が細かい!黒い部分もベタ塗りではなく細かい編みかけで色の濃淡が調節されている。特に背景は壁の模様や空の様子など、気が狂ってしまいそうな量の線の数である。

古い時代なのでデジタルという選択肢はもちろんないのだが、全部これを手作業で…!というところでもう脱帽である。ホワイトで修正した跡とかも見えて、ちょっと親近感。

絵本の表紙用の絵では、紙の隅に「ここまでが表紙で、ここからが折り返し部分」などと分かるように寸法が書かれている。表紙から見えない織り込まれてしまう部分までとても丁寧に描かれていた。

加えて、文字も手書きで使われているものが多い。ゴーリーフォントとでも言えばよいのか、絵の雰囲気に合った文字。

この全てが手書きの絵と文字がとても良い。やっぱり手書きはその人らしさが一番出るのだろう。デジタルも学びつつ、私も手書き、大切にしよう。



★余白の大切さ

ゴーリーの作品、言葉で物語が進められていくものって少ないようだ(多分)。短い文章だったり、ほとんど文章がなかったり。絵を見ながら無声アニメ?のように展開されているものもある。

そうすると私たちは、何が起きているんだ?と絵をよく見たり、こういうことか?と自分で想像したり…、なんとか物語を補完しようとする。作品の中には、そんな読者を嘲笑うかのように、結局全く脈絡ない絵が続いたり、オチなどなく終わったりするものもあるのだ。これぞゴーリーワールド。

普段1から10まで伝えようとしちゃう自分にとっては、この説明しない余白で読者に解釈を任せる感じがすごいなあと思う。大人だ。



ということで、存分に刺激を受けて帰ってきた。

もう5日間もダークサイドにいたのだから、そろそろ立ち上がらねば。今日なんて昼間にこの記事書いちゃうとか、偉いじゃん自分。久しぶりに英会話もやろう。指導案ないけど、何とかなるよ。



【おまけ】

松濤あたりを歩いていたら、高級そうな飲食店とか美容室とかマンションとかお店とか、ちょこちょこ見られてそれも楽しかった。

器のお店〜♫



#教員エッセイではない
#エドワードゴーリーを巡る旅
#松濤美術館

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