アイスクリームの雲

 よく晴れた日。青い空に一つだけ、白いアイスクリームの雲が浮かんでいた。

「世界の端はどうなっているのか?」

 その疑問を抱き続けてきた少年少女たちは、実際に世界の端へ行ってみようと計画を立てた。

 準備を整えた彼らは自作飛行機に乗り、世界の端を目指して出発した。西から東へ、町を出てからずっとまっすぐ一直線で、飛行機で向かった。少年少女たちの飛行機とともに、あのアイスクリームの雲も空を旅していた。

 町を出て三ヶ月後、少年少女たちは見覚えのある町を発見し、飛行機から降りる。その町は、以前に住んでいた町とまったく同じ様子で、なぜか懐かしさを感じさせた。雰囲気も住人もお店も家も、彼らの町とまったく同じだった。

 その証拠に、両親や近所のおじさん、店で働いている知り合いに似た人たちから「おかえり」「久しぶりだね」などと言われたのだ。

 おかしいと思った少年少女たちは引き続き旅を続けた。しかし、そこでもまた同じ町を発見した。その町の様子も、彼らが以前住んでいた町とまったく同じだった。一同が困惑する中、仲間の一人があることに気づいた。
「この世界は球体だから、すべての土地がつながっていて一つになっているのかも知れない」

 しかし他の仲間たちは、そんなことあるもんかと彼の話を信じなかった。

 長い期間をかけて、少年少女たちは元住んでいた町へ帰った。旅では辛いこともあったけど、町に帰ると、両親や知り合いたちが迎えてくれて、少年少女たちは涙を流した。

「一年ぶりに会えたね」
「何言ってるの、最後に会ってからまだ三ヶ月しか経ってないよ」
「えっ?」

 両親や知り合いたちの言葉に、少年少女たちは驚いた。

 今日も町の上には、アイスクリームの雲が浮かんでいるのだった。

おわり

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