読書

「ビーのやつ、相変わらず遅いな。これだから困るんだよ」

 エイは読書が大嫌いだった。

 しかし今、エイは一人で、部屋に置いてある本を読んでいた。

 とても長く退屈な待ち時間で、本を読むしか暇つぶしがなかったのだ。

 最初の数分間は何もしなかったが、途中から待ちくたびれて本を読み始めた。

 しかし部屋に置いてあったその本は、読んでみると意外と面白くて、そして何よりも読みやすくわかりやすかった。

 そしてビーが来るまでの間、部屋にあった他の本もほとんど読み漁った。

 しばらく経ってようやく、部屋にビーが入ってきた。

 エイとビーは一緒に、録画しておいたバラエティ番組を見ることにした。

 番組鑑賞中、ビーにはエイがいつもより物知りっぽく見えた。番組内で出るクイズに次々正解するのだ。

「エイって前からそんな物知りだったっけ」
「別に。ただ、あんたがそうさせただけ」
「ああそうか、ごめん」

おわり

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