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pixiv読み切り小説 まとめ

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過去にpixivに投稿したオリジナル(一次創作)小説を転載しています。 ※更新は不定期です。 ※一部のエピソードに残酷な描写が含まれます。
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2023年10月の記事一覧

涼しい風吹く夕方

「何かモヤモヤする、どうしたらいいんだろう……」  ここ最近、私は悩みごとで頭を抱えてい…

鬼と花咲かじい

 あるところに、「桜の森」があった。  ここは毎年春になると、美しい花があちこちに咲き、…

空の上の世界

 晴れの日、散歩中の私たち二人。  彼と楽しくしゃべりながら、私はふと空を見上げた。  空…

制約の牢獄

 私は今、捕まっている。恐ろしく危険な怪物に捕まっている。怪物は決して離してくれない。 …

土は恵みの神様

 ……あらゆる生命を生みだし、はぐくむ源。そして、死した生命が還るところ。  それは、命…

今日の弁当昨日と同じ

「お弁当はちゃんと持った?」  さっきから母が何度も確認してくる。 「持ってるっつってん…

子猫と子供のいない夫婦

 子供のいない夫婦がいた。  夫婦は子供を望んでいたが、なかなか子宝に恵まれないでいた。  寒い風の吹く夜、夫婦が帰り道を歩いていたときのことだった。 「ちょっと待って」  妻は夫を引きとめ、道端のほうを指差す。道端には、小さな子猫が一匹、うずくまり横たわっていた。 「こんな寒い中で、ひとりでいて、この子かわいそう」 「それなら、僕たちが面倒を見てあげようよ」  心配する妻に、夫はそう声をかけた。  夫婦は空腹の子猫を家へ連れ帰り、美味しい焼き魚を食べさせてあげた

一千年はどれだけ長いのか

 むかしむかし……はるか、大むかし。  この世界のどこかで、  わたしという存在は、生ま…

強盗とスラム街の鐘

 俺は強盗をしに、とあるスラム街へやって来た。  スラム街とは、極貧の人々が集まって暮ら…

人間のなる木

 ある会社の社長は、意地悪で自分勝手だ。  他人に厳しいくせに、自分にだけは、本当にもの…

よくばり王様と禁断の月の塔

 むかしむかし。とある国に、よくばりな王様が住んでいた。  星ぼしがきらめく夜に、王様が…

自殺がいけない理由

 最近、何をやってもうまくいかない。  勉強や部活を頑張っても思うように成績が上がらない…

海よりも空よりも青い花

 あるところにわがままな女性がいた。  同じ色に見える物同士の組み合わせでもチグハグに見…

水の惑星

 宇宙のどこかにて、攻撃的な戦闘民族はまわりの星々との戦争に明け暮れており、より強い兵器について常に研究をしていた。  あるとき、資源が豊富な惑星はないのかと彼らが望遠鏡で星空を覗いていたところ、青色をした惑星が見つかる。  時間をかけてその惑星を分析した結果、そこには惑星中を覆うほどたくさん"水"があることがわかった。  水。それは、この宇宙でとくに不思議な物質。姿は色のない透き通った液体で、生命を育み形作る役割を担う。  だから、水の惑星には多種多様な生命が溢れている